2025年までに、Ripple社は主軸であった国際送金だけでなく、暗号資産やデジタル資産の保管(カストディ)、取引、そして企業の財務管理(トレジャリーマネジメント)まで幅広く手掛ける総合企業へと事業領域を広げました。
このように事業が多角化する中で、「遠く離れた相手へ、摩擦なく価値を移動させる」という創業期から掲げてきた根本的な課題は、現在どの製品やソリューションに受け継がれているのでしょうか。本節では、2026年の最新発表を手掛かりにしながら、同社の事業の現在地を紐解いていきます。
現在の決済ネットワークでは、従来の法定通貨だけでなく、米ドルなどに連動するステーブルコインなども新たな送金経路(レール)として組み込まれるようになりました。さらに、ブラジル現地での決済展開、企業の財務管理を支援するAIの導入、機関投資家向けの「Delta One」関連事業、さらには証券保管振替機関との実証・連携など、多方面への展開が続いています。
これらはいずれも、中核となる送金ソリューション「Ripple Payments」そのものと完全に同一の製品ではありません。しかし、それぞれの事業が顧客のどのような実務課題を解決しているのかを丁寧に見ていくことで、全体像が浮かび上がってきます。各事業の役割を順に整理したうえで、創業期の理念が今日の製品群へどのように結びついているのかを確かめていきましょう。
この章の節
- 法定通貨とステーブルコインをまたぐ決済基盤
法定通貨とステーブルコインの両方を扱うRipple Paymentsの仕組みを説明します。 - ブラジルでの事業拡大
ブラジルでの提携と、現地市場に向けた事業の動きを紹介します。 - AIと決済・財務管理――XRPL AI Starter KitとGSmart
XRPL AI Starter KitとGSmartを通じたAI活用の取り組みを説明します。 - Ripple PrimeのDelta One事業
Ripple Primeが始めたDelta One事業の内容と対象顧客を紹介します。 - CSD BRとの取り組み
ブラジルのCSD BRとの取り組みと、その目的を説明します。 - 現在の製品と初期構想を結ぶ
創業期の構想が現在の製品群にどうつながっているかを振り返ります。