XRP Ledger、XRP、会社の関係

XRP——
BTC——
ETH——
SOL——
FLR——
XLM——
日本円・24時間騰落率|データ:bitbank|取得中

会社名が変わっても、XRP Ledgerの取引が止まるわけではありません。暗号資産の世界を学ぶ際、混同しやすいのが「技術」「資産」「企業」の境界です。まずは、基本となる三つの主語を整理してみましょう。

  • XRP Ledger(XRPL): 取引と残高を世界中で共有する、分散型の公開台帳(ネットワーク)
  • XRP: その台帳上でやり取りされるネイティブ資産(デジタルアセット)
  • Ripple社: 台帳や資産を活用した送金ソリューションなどを開発・販売する営利企業
公開台帳XRP Ledger、その台帳上で移転する資産XRP、送金製品を開発するRipple社という三つの異なる対象の関係を示す図
台帳・資産・企業という三つの主語を分けて読む。

過去の古い資料やニュースでは、これらすべてを一括して単に「Ripple」と表記しているケースが多々あります。しかし、上記の三つを明確に区別して捉えられるようになると、古い記述に出会った際にも「いま何の話をしているのか」を正確に読み解けるようになります。

三つの主語を分ける

それぞれの主語が果たす役割の違いは、具体的な動作を並べると分かりやすくなります。

  • 「XRP Ledgerで取引が確定した」 = ネットワーク(台帳)の仕組みによる処理
  • 「AさんのXRPがBさんへ移った」 = 資産そのものの移転
  • 「Ripple社が銀行と提携・契約した」 = 一企業のビジネス活動

これらは密接に関わり合っていますが、イコールではありません。例えば、Ripple社がどこかの銀行と契約を結んだからといって、それが直接台帳の合意(コンセンサス)に介入するわけではありません。

また、「誰でも自由に公開台帳へアクセスして使えること」と、「Ripple社が提供する企業向けサービスを契約なしに利用できること」もまったく別物です。Ripple社の商用送金サービスを利用するには、提供対象の国、提携先の金融機関ネットワーク、さらには各国の法規制といった条件をクリアした契約が不可欠です。

Ripple社は台帳の開発や普及に深く貢献してきました。しかし、オープンな公開台帳であるXRP Ledgerの参加者は、決してRipple社の顧客だけに限定されているわけではありません。次章以降では、各企業がどの技術を採用し、どの資産を扱っているのかを、製品ごとに詳しく紐解いていきます。

800億XRPの意味

XRPLの公式史によると、初期に発行されたXRPのうち、創設者たちは800億XRPを会社(Ripple社)へ贈与したと説明されています。

この膨大な保有量は、XRPLのエコシステムや新たな利用事例を開拓するための強力な事業資金となりました。しかしその一方で、市場関係者からは「それほど大量のXRPが、いつ、どれだけ市場へ売却されるのか」という懸念や疑問の声も上がることになります。

そこでRipple社は2017年、保有分のうち550億XRPを台帳上にプログラムされたエスクロー(預託機能)へ預け入れました。これにより、1か月あたりにロック解除できる数量に上限を設け、市場への供給スケジュールを客観的に管理する仕組みを導入したのです。

このトピックを正しく理解するためには、以下の3つの要素を混同せずに分けて追う必要があります。

  • 保有量: Ripple社が現在管理・保有している総数
  • エスクローからの解除: スケジュールに沿って台帳上でロック解除される数量
  • 実際の販売: 解除された中から、実際に市場や機関投資家へ販売された数量

また、「一企業が多くの資産を保有していること」と、「台帳の取引ルールや合意を一社だけでコントロールできること」も完全に切り離して考えるべき問題です。前者の影響を知りたいなら「会社の保有量や販売動向が市場に与える影響」を追うべきですし、後者を確かめたいなら「世界中の検証者(バリデータ)がどのように合意形成に参加しているか」という技術的メカニズムを調べる必要があります。

議論の出発点として、ここでも「主語を入れ替えてしまわないこと」が何より大切です。

利用する人の立場から

最後に、実際に利用する側の視点からも関係性を整理しておきましょう。

個人として市場でXRPを購入・保有している人は、Ripple社の株式を持っているわけではありません。もちろん、銀行預金のようにRipple社に対して「日本円や米ドルで払い戻してほしい」と請求できる権利もない、独立した資産です。

一方で、Ripple社の国際送金製品を利用する金融機関などの顧客が、常に自分たちでXRPを直接保有しているとも限りません。送金のプロセスにおいて「誰がどのタイミングで資産を保有し、受取人へ最終的にどの法定通貨を届けるのか」は、導入する製品や送金ルートの設計によって異なります。

この視点を頭に入れておくと、後述する「xCurrent」と「xRapid」の違い、そしてxRapidから「ODL(On-Demand Liquidity)」への発展も、驚くほどスムーズに理解できるようになります。

出典・参考資料