XRPの概要

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XRPとは

XRP(エックスアールピー)とは、XRP Ledger(エックスアールピー・レジャー/XRP台帳)のネイティブなデジタル資産です。日本円や米ドルとは違いXRPは生来のデジタル資産であり、XRP Ledger内にのみ存在します。1000億XRPがXRP Ledger内にプログラムされ、それ以上発行されないことがプログラム的に保証されています。XRPを利用することで、ユーザーは第三者のカウンターパーティーリスクを負うことを承諾することなく、JPY(日本円)やUSD(米ドル)の残高を送金する代わりにXRPで価値の交換を行うことができます。

図1.XRPを利用した国際送金のイメージ(予想図)

 

XRP Ledgerとは

XRP Ledger(エックスアールピー・レジャー/XRP台帳)は、ISCライセンスに基づくオープンソースの分散型台帳で、米国のリップル社やCoil(コイル)などの XRP Ledger を活用する複数の企業が開発を主導しています。XRP Ledgerでは、二重支払いの防止をサトシ・ナカモトによって考案されたプルーフ・オブ・ワーク(Proof-of-Work:PoW)を利用した仕組みではなく、独自に開発されたコンセンサス・アルゴリズムを使って行うため、ビットコインの致命的な弱点であるスケーラビリティや消費電力といった問題を克服しています。この XRP Ledger に実装されたコンセンサス・アルゴリズムは、XRP Ledger Consensus Protocol(XRP LCP)とも呼ばれています。

XRP Ledgerの最大の特徴はスピードで、承認時間はビットコインの1000倍以上高速です。ビットコインの承認時間はランダムであり、最短でも約10分、長い場合は10日以上を要するのに対し、XRP Ledgerでは全てのレジャー(台帳)が約3秒毎にクローズします。つまり、支払いにビットコインを利用する場合には支払いが完了するまでに非常に大きな価格変動のリスクに晒されますが、XRPを利用する場合には価格変動のリスクは限定的です。また、ビットコインやイーサリアムのようなPoWのシステムでは取引コストが数ドルから数十ドルに跳ね上がる可能性がありますが、XRP Ledgerでは1回の取引にかかるコストは10分の1セント程度です。

 

発行数量と最小単位

XRPの最小単位は1 XRPの100万分の1(0.000001)で、この最小単位をdrop(ドロップ)と呼びます。つまり 1 XRP = 1,000,000 drops です。総発行量の1000億という数字は人的要因により決定されました。dropの64ビットの精度のうち1ビットをXRPフォーマットを表すフラグ、1ビットを符号、3ビットを未使用領域として合計5ビットがフラグとして割り当てられています。1000億XRPは100,000,000,000,000,000 dropsであり、これは64ビットから前述の5ビットを差し引いた59ビットの符号無し整数(unsigned integer)に収まります。

100,000,000,000,000,000 = 10^17 = 10^11 * 10^6
576,460,752,303,423,488 = 2^59

 

手数料

XRP Ledger にアクセスするには、微小な額ながらも、いくらかのXRPが必要となります。これらはトランザクションに対する手数料と永続性を維持するための担保として利用されます。この設計の目的は、攻撃者をすばやく破産させ、ネットワークがスムーズに機能し続けるようにすることです。XRP Ledger に対する攻撃はすぐに高価になりますが、一般ユーザーにとっての費用は実質的に「無料」のままであり続けるようになっています。詳しくは、『手数料(曖昧さ回避)』を参照してください。

 

アドレス

XRP Ledgerの残高はアドレスに対応づけられて格納されます。アドレスは、アカウントの公開鍵暗号ペア(公開鍵と秘密鍵)から生成され、公開鍵側をリップルアドレス、秘密鍵側をシークレットキーと呼びます。

リップルアドレス
リップルアドレスは、アカウントの公開鍵のハッシュをBase58でエンコードした ‘r’ から始まるアルファニューメリックストリング(文字数字の列)で、アカウントを特定するための公開されたアドレスとして利用されます。リップルアドレスを用いて取引履歴や残高の確認を行うことができます。

シークレットキー
シークレットキーは、アカウントの秘密鍵から生成されたアルファニューメリックストリング(文字数字の列)で、リップルアドレスと似ていますが ‘r’ の代わりに’s’から始まります。シークレットキーを保持している限り、いつでもアカウント内にあるお金にアクセスできます。これはもし他の方法でアクセ スが出来ない場合、バックアップ方法として重要なことです。(例えば、あなたの電話が二要素認証のテキストを受信できない時)他のアクセス方法がない場合、シークレットキーがないと、ロックアウトされ、自分のアカウントを使用できません。シークレットキーは如何なる状況でも自分のアカウントにアクセスできる唯一の方法です。

 

ウォレット(財布)

ウォレットとは、XRPを保管しておく財布のことです。ウォレットにはいくつかの定義があります。XRP Ledger上のウォレットは、リップルアドレスとシークレットキーのペアです。また、それらのアドレスを保管するソフトウェア、ハードウェア、その他の媒体(紙など)もウォレットと呼びます。

RippleTrade

画像1.リップル社が運営していたRippleTrade

ホットウォレットとは

ホットウォレットは、ネットワークに接続されたソフトウェアウォレットで、主に暗号資産取引所からXRPの残高を保管するために提供されます。また、かつてリップル社が運営していたRippleTradeのようなウェブウォレットもホットウォレットに分類されます。その他にも無料やオープンソースで公開される様々なソフトウェアウォレットが存在します。ホットウォレットを利用すると両替や送金が速やかにできるので利便性が高い一方、ネットワークに接続されていることに起因するセキュリティ上のリスク(盗難など)があります。

コールドウォレットとは

コールドウォレットは、ネットワークから切り離されたウォレットで、代表的なコールドウォレットは紙にシークレットキーを書き込んだだけのペーパーウォレット(紙のウォレット)です。ハッカーによる攻撃などで秘密鍵が漏洩する危険性が無いため、シークレットキーの保管方法としては最も安全であると言われています。

 

暗号エスクロー

エスクローとは、互いに信用ができない2者間で取引が行われる際に、取引の橋渡しを行う仲介人です。例えば Yahoo!オークションでは、出品者と落札者との代金のやりとりを安全に行なうためのエスクローサービスが提供されています。これにより、商品を送ったのに入金されない、入金したのに商品が送られてこないといったトラブルを防いでいます。XRP Ledgerでは、暗号エスクロー(Cryptographic Escrow)とよばれる機能によりエスクローを実現します。通常、エスクローサービスを利用するには、第三者であるエスクローを信用する必要がありますが、XRP Ledgerでは、XRPにこの機能を持たせることでその必要性を排除しています。

暗号エスクローは支払いを途中で保留する機能で、暗号エスクローが完了して送金先がXRPを受け取るまで、または暗号エンスクローがキャンセルされるまで、それ自身のレジャーエントリーの中に指定された数量のXRPを一時的に隔離します。もし、暗号エスクローがキャンセルされた場合には、暗号エスクローを作成したアカウントにXRPが返金されます。この機能は、XRP Ledgerがインターレジャー・プロトコル(ILP)を利用する上では欠かせない機能の一つです。

 

ペイメントチャネル

ペイメントチャネル(Payment channels)は、単一の送金先に対するXRPの取引をオフレジャー(台帳の外)で行う機能です。この機能はマルチサインを利用することで実現されます。チャネルはそれ自身のレジャーエントリーの中に、その所有者のXRPを隔離します。所有者は署名されたオフレジャーのメッセージを受取人に渡すことで、所有者がチャネルに預け入れた残高まで受取人が請求することを許可できます。オフレジャーで取引を行うことで、取引を行う金融機関は XRP Ledger に手数料を支払う必要がなくなり、取引のプライバシーも完全に保護されます。また、取引が毎回レジャーに書き込まれないため、XRP Ledgerの性能に依存しない高速な取引を実現します。チャネルは、ILPトラストラインの断続的なオフレジャー決済を可能にすることを目的としています。

 

XRPブリッジング

外国為替取引市場(FX市場)を送金に利用して送金する場合、もし世界に100種類の通貨があったとすると通貨ペアの組合せは4,950通りになり、その全て通貨ペアを取引するための市場が必要になります。リップル社が開発しているエンタープライズ製品では、XRPをブリッジ資産として利用することで通貨ペア数を縮小します。これにより、流動性が少ないフィリピンーメキシコ間のようなマイナーな通貨ペアであっても、XRPを介して金融機関はオンデマンドに国際送金のための流動性を調達することが可能になります。

図2.(左)ブリッジ資産無し (右)XRPをブリッジ資産にした場合

リップル社のエンタープライズ製品の xRapid では、インターレジャー・プロトコル(Interledger Protocol:ILP)と XRP Ledger を統合することで効率的なクロスボーダー決済を実現します。xRapidはリップル社により開発・販売が行われる商用製品であるため、その内部の詳細な仕組みは現在のところ公開されていません。そこで、リップル社のエンタープライズ製品がインターレジャー・プロトコルとXRPを利用して国際送金を行う仕組みを予想した図を作ってみました。

図3.XRPブリッジングのイメージ(予想)

 

XRPの配布

XRPの配布はリップル社と同社によって設立されたXpringイニシアチブによって計画的に行われています。XRP Ledgerを活用するスタートアップには、Xpringイニシアチブ通じて無償でXRPが配布されます。配布量はリップル社の公式サイトで公表されており、2017年11月23日現在、約386億XRPが配布済みです。内訳は当サイトのXRP配布の内訳を参照してください。リップル社は、2017年12月にXRPの総発行量のうち550億XRPをXRP Ledgerの暗号エスクローを利用してロックアップしました。これにより550億XRPが55ヶ月間、暗号エスクローにより凍結され毎月10億XRPが解放されることにより、リップル社が1ヶ月あたり管理できるXRPの数量が10億XRPに制限されます。解放された10億XRPのうち配布が行われなかったXRPは再び55ヶ月間暗号エスクローによりロックアップされます。

リップル社は個人に対してXRPの販売は行っていません。これはXRPの販売がニューヨーク州金融サービス局(New York State Department of Financial Services:NYDFS)が制定したビットライセンスに基づいて行われているためで、リップル社は機関投資家及び金融機関向けのXRPの販売と管理に関してニューヨーク州金融サービス局から許可を得ています。リップル社の公式サイトでは、機関投資家や金融機関に対して直接販売する窓口を設けている他、XRPの報酬プログラムによるXRPのプログラム的な配布が計画されています。個人がXRPを購入するには、XRPを取り扱う暗号資産取引所を利用することができます。

 

XRPの価格

XRPの価格は2014年初頭に大きく下落しました。これはリップル社の共同創業者であるジェド・マケーレブが会社の運営方針について他の創業者と折り合いが付かなくなり、自身が保有する90億XRPを市場で売却することを宣言したのが原因です。その後、リップル社とジェド・マケーレブは和解をし、自身と家族が保有するXRPのうち約53億XRPをリップル社の管理の元で契約に従って売却し、20億XRPはドナー・アドバイズド・ファンドに寄付することが決定しました。この時点でジェド・マケーレブが市場で売却を行ったのは約17億XRPであることがわかっています。このような経緯もあり、XRPの価格は2017年3月まで低迷しました。

その後、三菱東京UFJ銀行を始めとする100を超える世界中の金融機関がリップル社が提供するエンタープライズ製品を利用した国際送金を行うことを発表したことで、XRPの価格は大きく上昇しました。2017年10月からは金融機関によるXRPを利用した実送金のパイロットが開始されることが発表され、XRPの価格は一時400円を超えました。2018年1月、日本で主にXRPの取引が行われていた暗号資産取引所のコインチェック社で約580億円相当のNEM(XEM)が盗難される事件が起こったことで、XRPの価格は急激に下がりました。

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