国内取引所がマネーロンダリングの疑いでアカウントの凍結を開始!?

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国内取引所がマネロンの疑いでアカウントの凍結を開始か!?

さて、今日はツイッター界隈でちょっとした騒動が起きているので紹介します。複数の当事者のツイートによると、国内取引所『BitFlyer』を利用する人達のアカウントが次々と凍結されているようです。

アカウントを凍結された人の一人は、

私のbitflyerのアカウントは消滅しました

多分マネロンの疑いをかけられてだと思う。過去にも取引内容とか書類を提出してその時はセーフだった。 今回も3年分の確定申告や居住証明等提出したけどダメだったらしい

取引した内容としては日本円を1000〜2000万ほど入金して、暗号資産購入後に他のアドレスに送ったりしたらこうなりました。

botは一時期使って取引してたけど、この2年くらいは全く使ってなかったです。 同じように海外取引所とか他社に暗号資産送付とかする人は注意した方が良いと思います

と発言しています。ツイートの内容を見る限り、保有する暗号資産を海外取引所に送ったため、「マネーロンダリングの疑い」でアカウントを凍結されているようです。

また、同様にアカウントを凍結された他の人も次のようにツイートしています。

マネロンしてねえのにbitFlyerからBANくらってワロタ。海外取引所への入金にしか使ってないけど。 さようならビットフライヤー

暗号資産の国際送金規制が動き始める

これは率直に言って、規制当局が暗号資産の国際送金の取り締まりを開始したことを意味しているのだと思います。これまでも暗号資産を利用した国際送金は、既存の銀行法や資金決済法、外為法などの規制に抵触するという議論はされてきました。

外国為替及び外国貿易法(昭和24年法律第228号。以下「外為法」という。)では、強制通用力のある通貨等の支払手段の移転だけでなく、当事者間で債権債務の消滅や財産的価値の移転があったと同視し得る財の移転があれば、同法上の「支払」があったと捉えています。

したがって、仮想通貨に関する取引であっても、例えば、日本と外国との間又は居住者と非居住者との間で、債権債務の消滅や財産的価値の移転を行い、その対価として仮想通貨により支払をした場合又は支払の受領をした場合であって、当該対価が3,000万円相当額を超える場合には、日本円や米国ドル等の法定通貨を用いた支払又は支払の受領と同様に、財務大臣への報告が必要となります。

出典:仮想通貨に関する取引を行う方々へ – 財務省

例えば、日本の金融サービス業大手のSBIグループ傘下のSBI VCトレードでは、当初から同取引所の暗号資産を海外取引所に直接送金できないような対策が行われていました。おそらくこれは、SBIグループがそのような取引の違法性を理解し、SBI VCトレードがそのような取引に関与したことにならないようにするための対策だったのだと思います。

日本では100万円を超える国際送金には銀行業の資格が必要で、100万円以下の送金に関しても資金決済法上の資金移動業者としての登録が義務付けられています。つまり、暗号資産取引業者である暗号資産取引所には、このような送金サービスを顧客に提供することは許可されていません。もしも、そのようなサービスを無許可で提供したことになれば、銀行法違反などの罪に問われるだけでなく、暗号資産取引業者としての認可も取り消されてしまう可能性があるのではないでしょうか。

また、これは余談ですが、私が取引している銀行の顧客で暗号資産取引を行っている人達の中には、ローンなどの銀行サービスの利用を停止された人達もいるようです。また、海外では暗号資産を利用した国際送金を行っていた人達が、すべての銀行口座を凍結され、銀行サービスを利用できなくなっているという事実もあります。

財務省が暗号資産取引を資本取引規制の対象に追加

また、このような騒動が起きている背景には、財務省が暗号資産取引を外為法の資本取引規制の対象に加える方針を示したことも関係している可能性があります。

財務省は11月16日に関税・外国為替等審議会の外国為替等分科会において、「FATF第4次対⽇審査結果と外為法における対応」を発表しました。

これは今年8月にFATF(金融活動作業部会)によって行われた第4次対⽇審査の結果報告と、それを受けて行われる外為法の見直しに関する発表です。FATF(Financial Action Task Force)とは、マネロン・テロ資⾦供与・拡散⾦融(⼤量破壊兵器の拡散にかかる⾦融措置)対策のための国際基準の策定・履⾏を担う多国間の枠組み(政府間会合)です。

FATFの審査団は審査対象国を「通常フォローアップ国」(regular follow-up)、「重点フォローアップ国」(enhanced follow-up)のいずれかに分類します。第4次審査では、G7の日本、アメリカ、カナダを含む19カ国が「重点フォローアップ国」に、アイスランド、トルコ、南アフリカの3カ国が重点フォローアップ国の中でも更に評価が低い「観察対象国」に指定されました。つまり、日本はFATFの対日審査で不合格となりました。(太字はG7国)

通常フォローアップ国
(regular follow-up)
8か国 スペイン、イタリア、ポルトガル、イスラエル、英国、 ギリシャ、⾹港、ロシア

重点フォローアップ国
(enhanced follow-up)

19か国 ノルウェー、オーストラリア、ベルギー、マレーシア、オーストリア、カナダ、シンガポール、スイス、⽶国、スウェーデン、デンマーク、アイルランド、メキシコ、サウジアラビア、中国、フィンランド、韓国、ニュージーランド、⽇本
観察対象国 3か国 アイスランド、トルコ、南アフリカ

※今後の審査予定国:フランスドイツ、オランダ、ルクセンブルク、インド、ブラジル、アルゼンチン

財務省はこの対日審査の結果を受け、以下の点について外為法を見直す方針を示しました。

  1. 暗号資産取引を外為法上の資本取引規制の対象に追加
    国連安保理決議に基づく資産凍結措置は、制裁対象者のあらゆる資産(暗号資産を含む)の凍結を各国に要請している。
    【⾒直しの⽅向性】
    銀⾏等の預⾦取引等と同様に、居住者と⾮居住者との間の暗号資産に関する取引(管理・貸付・売買)を資本取引規制の対象とし、資産凍結措置を可能とすることを検討。
  2. 暗号資産交換業者の確認義務
    2019年6⽉に改訂されたFATF勧告は、制裁対象者への資⾦その他資産の流れを遅滞なく⽌めることについて、銀⾏等に加えて暗号資産交換業者に対しても要請。外為法上、銀⾏等が取扱う顧客の送⾦については、制裁対象者に対する送⾦に該当しないことを確認する義務が課されているが、暗号資産交換業者が⾏う顧客の暗号資産の移転については、このような確認義務が課されていない。
    【⾒直しの⽅向性】
    暗号資産交換業者が⾏う顧客の暗号資産の移転について、制裁対象者に対する移転に該当しないことを確認する義務を課すことを検討。
  3. 資産凍結措置遵守のための態勢整備義務
    2020年10⽉に改訂されたFATF勧告は、⼤量破壊兵器の拡散に関与する者に対する資産凍結措置を事業者が適切に履⾏するため、その制裁の潜脱リスク(資産凍結措置の不履⾏や回避等のリスク)の評価やリスク低減措置を⾏うことを要請。また、FATF第4次対⽇審査では、銀⾏等や暗号資産交換業者がFATF基準に従い、資産凍結措置に係る義務を果たせるよう、⽇本の制裁枠組みにおける義務を明確化すべきと指摘。
    【⾒直しの⽅向性】
    銀⾏等や暗号資産交換業者等による、資産凍結措置の適切な履⾏を確保するため、制裁潜脱リスクの評価を⾏うことや、その低減措置を講ずることを含めた遵守基準を定める。
    当局が、銀⾏等や暗号資産交換業者等による同基準の遵守状況についてモニタリングを⾏うとともに、必要に応じ、指導・助⾔や勧告・命令を⾏うことができるようにする。

このように、財務省から発表された外為法の見直しにより、今後は国連安保理決議に基づき銀行預金等と同様に暗号資産に対しても資産凍結措置が行われることが予想されます。一方で、暗号資産取引に対してこのような厳しい処置が講じられることは以前から分かっていたことでもあります。例えば、FATFは2018年10月にFATF勧告を改訂し、仮想通貨におけるマネロンやテロ資金対策を定め、暗号資産を取り扱う業者(VASP:Virtual Asset Service Provider)に対して銀行並みの厳しい規制を課す方針が決定されていました。

当初はFATF加盟国に対して2020年6月までの対応期限が設けられることとなりましたが、新型コロナウィルス蔓延の問題によってFATFの対日審査などが遅れていました。しかし、ここにきていよいよ暗号資産取引に対する国際的な規制が動き始めたというのが実情ではないでしょうか。

感想

このような状況を見ると、今後は暗号資産を利用した国際送金には、各国の規制に準拠したRippleNetのようなサービスが必要になってくるのではないでしょうか。

 

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