XRPは買われて売られるから上がらないってホント?

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買われても売られるから価格は上がらないのか

リップル社は、XRPの価格が上がるロジックについて、送金トランザクションによる流動性を根拠としてきました。これに対してXRPに関する風説を流し続けてきた人々を中心に、XRPは送金トランザクションによって買われても同時に売られるのでプラスマイナスはゼロになって価格は上がらないと言っています。これは『アキレスと亀』のような胡散臭い話で、いかにも詐欺師が言い出しそうなことです。

※アキレスと亀とは
足の速いアキレスと亀が競争する話です。ハンデとして、アキレスは亀より後方からスタートします。アキレスが亀のスタート位置まで走る間に、亀は数メートル先に進んでいます。 その亀の位置までアキレスが走る間に、亀はさらに前へ進んでいます。これを繰り返すので、アキレスは亀に永遠に追いつけないという話です。

 

流動性と価格の関係

取引において、売りと買いはペアで成立します。AさんとBさんがそれぞれ売りと買いの注文を出して、1つの取引が成立します。2つ目の取引はCさんとDさんによるものです。

では、これらが同時に起きた場合を考えてみてください。

1つ目の取引:Aさんが1円で100万XRPを売り、代わりにBさんが1円で100万XRPを買います。
2つ目の取引:Cさんが1円で100万XRPを売り、代わりにDさんが1円で100万XRPを買います。

この2つの取引が同時に起きたとき、消費されるのは100万XRPではなく200万XRPで、購入されるXRPの総額は200万円分です。10,000の取引が同時に起きたときは100億XRPが消費され、購入されるXRPの総額は10,000倍の100億円分になります。送金トランザクションが増えれば増えるほど、売買のペア数が増えて同時に消費されるXRPの数量(つまり需要)も増加します。

先ほどの前提で、100,000の取引が同時に起きれば、発行上限の1000億XRPが消費され、時価総額は1000億円になります。では、同時に売買される取引ペアの数がそれ以上になったらどうなるのでしょうか?

取引ペアの数がさらに10倍になれば、需要量が供給量を上回るため今度は価格が10倍の10円になり、時価総額は1兆円になります。さらに取引ペアの数が10倍になれば価格は100円になり、時価総額が10兆円になります。

まだピンと来ない人のために逆の説明をします。

有限で1000億個しかないものを、ある人(1つの取引)が1兆円分購入すると単価は10円になります。

10兆円分購入した場合は、単価はその10倍の100円になります。

複数の取引が同時に行われれば、XRPを購入するのが1人(または1取引)ではなくても同じ結果になります。

 

買って売られるからプラスマイナス0?

次に JPY⇒XRP⇒USD という流れの送金について、XRPは買ってから売られるのでプラスマイナスがゼロだという話が本当か検証してみましょう。

まず、Rippleは1秒間に数万回の取引が行われることを想定して作られた送金システムのため、国際送金が片側(JPY側)から一方的に行われるという前提は間違っています。

その同時に行われる数万回の送金のうち JPY⇒XRP⇒USD と USD⇒XRP⇒JPY の2つの送金だけを抜き出して考えてみます。

ここで行われている XRP/USD の取引は『買い』でしょうか『売り』でしょうか? プラマイゼロ説に基づけば売りということですが、正解は2つの送金による買いと売りから成り立つ売買です。2つの送金がそれぞれ100万円分だった場合、前項の『流動性と価格の関係』で説明したことがそのまま当てはまります。ですから、単位時間あたりの送金回数とボリュームが増加すればXRPの価格が上がります。

1秒間に発生する数万トランザクションのうち1トランザクションだけを抜き出してXRPの価格が上がらないと言うのは、まるで「瞬間的に見れば、飛んでいる矢も止まっている。」と言っているようなものです。

そもそも JPY⇒XRP⇒USD の取引で「買って売ってプラマイゼロ」の話に関しては、XRP/JPYペアの取引所ではXRPは売られていません。もし、本当に指摘したいのであれば

「XRP/JPY のレートが上がり、XRP/USD のレートが下がるので価格の乖離が発生する。」

が正解でしょう(残念ながら彼らはその点がばれないように巧妙な言い回しで説明します)。

では、2つのレートに乖離が発生したら何が起こるのでしょうか? 一般的にはアービトラージを狙った投資家(またはbot)が安い取引所でXRPを購入して高い取引所でXRPを売ることになります。国際送金によって発生したXRPの流動性は、このような形で投資家が市場に参加する動機になります。それらの取引が1秒間に数万回も起こるわけですから何が起こるかは想像に容易いでしょう。

※これを市場原理と呼びます。

市場原理
市場がさまざまな過不足やアンバランスを自ら調整し最適化する仕組みや機能。商品の価格、需要と供給、労働市場などさまざまな場面で、多くの市場参加者が自己利益を追求することで働くとされる。神の見えざる手。見えざる

出典:コトバンク

 

需要と供給

需要と供給が価格を決めることは広く一般的に知られた概念です。おそらく、(欠席していなければ)殆どの人が小中学校の授業で習ったはずです。

市場においてモノの価格を上げる要因は2つあります。

  1. 供給の減少
  2. 需要の増加

供給の減少:
XRPの発行上限はプログラム的に1000億XRP以上にならないことが保証されており、取引手数料として消費されることでXRP Ledger内で使用できる XRP の数量は減少していきます。手数料として消費される XRP は、外部からの攻撃によるものでなければごく僅かであるため、これが価格上昇の大きな要因になることはありません。むしろ XRP の発行上限と手数料は、供給によって XRP の価格が下落しない根拠であるといえます。

需要の増加:
XRPの需要の増加は、市場参加者(マーケットメーカー)の増加に加え、『流動性と価格の関係』で述べたように送金需要の増加によるものです。インターネットで情報のパケットが複数のルーターを経由して通信が行われるように、インターレジャーではお金のパケットが複数のコネクターを経由して送金が行われます。XRPはこれらのコネクター同士を接続するブリッジ通貨の役割を果たします。

ここまでの説明で、XRPが需要と供給の関係における価格上昇の基本的な要件を満たしていることが分かります。

 

xRapidの仕組み

リップル社は XRP を利用して国際送金を行う xRapid の仕組みを2017年の『XRPミートアップ東京』で次のように説明しました。

画像1.リップル社によるxRapidの説明 出典:XRPミートアップ東京

  1. 金融機関が法定通貨をXRPに変換される
  2. XRPが送付される
  3. XRPが受取側現地の法定通貨に変換される

これは既に xRapid を利用した実送金が実施されている米国ーメキシコ間の送金の仕組みを説明したものです。リップル社の吉川絵美さんは、この国際送金のロジックを次のように説明しています。

また、XRP Ledgerの創設者の一人であるデイビッド・シュワルツは xRapid のXRPブリッジング機能について次のように説明しています。

送金をするために xRapid を利用する人たちは、裏でXRPが使われていることを知る必要はありません。しかし、両替を伴うすべての送金に XRP が中間で使われます。

出典:xRapidのXRPブリッジングに関する発言

つまり xRapid による国際送金のボリュームが上がれば XRP の価格は上昇します。

参考:
Mathematically speaking what is the highest price ripple could potentially get to?

まとめ(考察)

『アキレスと亀』の手法で人をだます詐欺師は、話の中で大切な概念を無視することで人を欺きます。これは詐欺の常とう手段として使われます。ここで無視された大切な概念は時価総額です。送金トランザクションや市場参加者の数が増えれば、時価総額も10倍、100倍と増えるので1XRPあたりの価格が上がるのは当然の理屈です。投資において市場の流動性が重要視されるのはこのためです。

これまで XRP に関する風説の流布で目立ったのは、巧妙に詐欺のスキームが利用されていることです。逆に供給を減らして(ビットコインなどの)価格を上げようと思えば、フィアット建てで取引が行われていないアルトコイン取引所や分散型取引所で大量に取引が行われるように仕向ければ良いわけです。こうすることで実質的にフィアット建ての取引所に上場されていないのと同じことになるからです。

もう一つの有名な詐欺のスキームは、金利を利用したものです。資産を預けておくことで多くの利息を受け取れることが期待できると、顧客は次第に預け入れた資産を出金せずに複利で回した方が儲かると思うようになります(または、そのように勧誘してきます)。しかし、これは詐欺師が仕掛ける巧妙な罠です。顧客が預け入れた資産を出金しないのであれば、無限に利息を付けても業者は痛くも痒くもありません。やがて業者は出金を渋るようになるか、顧客に出金をさせないための仕組みや口実を作ります。

当然、各国の規制当局はこのような詐欺が起こらないように、疑わしいと思われる事業者には監査を要求します。当たり前ですが、詐欺業者は規制当局の監査に応じることはありません。しかし、そんなやり取りが長く続くわけはなく、運良くそのような兆候を察知できた顧客はまだ出金できるうちに出金を始めます。そして出金が加速すると・・・。

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