ウォレット(財布)

デスクトップクライアント

デスクトップクライアントとは

デスクトップクライアントは、パソコンにダウンロードして利用するウォレット(ホットウォレット)です。主に Windows、Mac、Linux などで利用できるものが配布されています。もともとはRippleクライアントのリファレンス実装としてリップル社によって開発され公式ウェブサイトで配布されていましたが、バージョン1.0.3で配布とサポートが停止されました。ソースは RippleTrade で使われていたウェブウォレットと共通でしたが、バージョン1.1.0でウェブ版とデスクトップ版のソースが分離され、リップル社従業員のdarkdarkdragon氏が分離後のデスクトップクライアントのソースをしばらく管理していました。後に GitHub のリポジトリが darkdarkdragon氏から yxxyun氏に引き継がれ、1.1.0 => 1.1.32 => 1.1.32 bugfix => 1.1.32 bugfix-2 => Ripple Admin Console へと派生しました。現在、ゲートウェイの Rippex から提供されている Carteira Ripple Desktop や XRP Chat管理人のKarlos氏が公開している XRP CHAT WALLET も、この Ripple Admin Console から派生したものです。残念なのは、2016年7月1日現在の Ripple Admin Console、Carteira Ripple Desktop、XRP CHAT WALLET は、ビルド時に言語ファイルが生成されないバグにより日本語環境では動作しません。このため、現在は yxxyun氏が以前に公開していた 1.1.32 bugfix-2 や同氏が現在管理している 1.0.29 が主に日本のリップラーに利用されています。

 

デスクトップクライアントの系統

  • XRP CHAT WALLET(Carteira Ripple Desktop1.4.0-rc3からフォーク)
    XRP Chat管理人のKarlos氏がビルドしたデスクトップクライアント。おそらく Carteria Ripple Desktop と同一のものと思われる。バグのため日本語環境では動かない。
    ソース ビルド済み
  • Carteira Ripple Desktop(Ripple Admin Console1.4.0-rc2からフォーク)
    Rippex(ブラジルのゲートウェイ)が公開している Ripple Admin Console1.4.0-rc2 から派生したデスクトップクライアント。2016年6月29日現在、ゲートウェイが提供している唯一のデスクトップクライアント。残念なことにバグのため Ripple Admin Console と同様に日本語環境では動かない。
    ソース ビルド済み
  • Ripple Admin Console(非公式版1.1.32系からフォーク)
    Ripple Admin Consoleは、yxxyun氏が公式版からフォークして作成した1.1.32系から派生したデスクトップクライアント。ソースはyxxyun氏により管理されている。2016年6月29日現在 1.4.1が最新だが、おそらく日本語環境では動かない。
    ソース
  • 非公式版1.0.x系(公式版からフォーク)
    yxxyun氏が公式版のソースをもとにビルドができるようにフォークしたもの。当初は1.1.32系として公開されていたが、バージョン番号が1.0.xに戻った。日本語環境でも動作し、2016年6月現在最も安定している。
    ソース ビルド済み Win32
  • 公式版1.1.0(の残骸?)
    リップル社従業員のdarkdarkdragon氏がデスクトップクライアントが廃止された際に、ウェブ版から切り離して管理していたソース。ファイルが不足しているため、そのままではビルドできない。
    ソース
  • 公式版1.0.x系(1.0.12までWeb版と共通)
    リップル社が管理するウェブ版のソース。1.0.12までデスクトップクライアントと共通のソースを利用していた。ウェブ版、デスクトップクライアントともにサポートが打ち切られた。
    ソース

 

Windowsで非公式版クライアントをビルドする方法

Windowsでビルドするための環境構築

1.Node.js v0.10.40をここからダウンロードしてインストール
https://nodejs.org/

2.スタートメニューのコマンドプロンプトを右クリックして管理者として実行

3.コマンドプロンプトで次のコマンドを実行して grunt をインストール
> npm install -g grunt-cli

4.npmをアップデート
> npm -g install npm@next

※検証にはv3.3.1を使用

5.git をインストール

※ちなみに私(Gt.Gox)は以下のオプションを選択(それ以外はデフォルト)

  • Use Git and optional Unix tools from the Windows Command Prompt
  • Checkout as-is, commit as-is
  • Use Windows’default console window

※検証にはv2.6.2×64を使用

非公式版1.1.32をビルドする手順

1.ripple-client-desktop-1.1.32フォルダをまるごとCドライブ直下にコピー

2.C:\ripple-client-desktop-1.1.32\buildフォルダを作成

3.C:\ripple-client-desktop-1.1.32\config-example.json をコピーして config.json を作成

4.C:\ripple-client-desktop-1.1.32\src\js\config-example.js をコピーして config.js を作成

5.ここからjsdom_binaries-master.zipをダウンロードして解凍する
https://github.com/mihaifm/jsdom_binaries/archive/master.zip

6.解凍してできたnode_modulesフォルダをC:\ripple-client-desktop-1.1.32フォルダにコピー

7.スタートメニューのコマンドプロンプトを右クリックして管理者として実行

8.コマンドプロンプトで次のコマンドを実行
> cd C:\ripple-client-desktop-1.1.32
> npm install

ダウンロードとインストールが始まるからしばらく待つ

9.コマンドプロンプトで下記のコマンドを実行
> grunt

10.しばらく待つとビルドが終わる。
C:\ripple-client-desktop-1.1.32\build\packagesフォルダに実行ファイルができる。

※公式版1.1.0をビルドしたい場合はsrcフォルダを1.1.32のsrcフォルダに上書き(統合)すればOK

 

Mac版クライアントからWindows版クライアントを作る方法

ここではビルド済みのMac版クライアントからWindows版クライアントを作る手順を説明します。

1.+LhacaをWindowsにインストールする
http://www.vector.co.jp/soft/win95/util/se166893.html

2.デスクトップにできた+Lhacaアイコンをダブルクリックして圧縮形式をZIPに設定する

3.Mac版デスクトップクライアントをダウンロードする
http://macdownload.informer.com/rippleclient/

4.HFSExplorerでダウンロードしたripple-client.dmgを解凍する
http://www.catacombae.org/hfsexplorer/

5.解凍してできた下記のフォルダの中身をすべて選択して+Lhacaアイコンにドラッグする
Ripple Client for Mac\RippleClient.app\Contents\Resources\app.nw

6.+Lhacaで圧縮してできたzipファイルの名前を “app.nw” に変更する

7.Node-Webkitをダウンロードして解凍する
http://dl.nwjs.io/v0.9.2/node-webkit-v0.9.2-win-ia32.zip

8.解凍してできたNode-Webkitフォルダに6で作成したapp.nwをコピーする

9.コマンドプロンプトを起動して8のフォルダで次のコマンドを実行する
> copy /b nw.exe+app.nw RippleClient.exe

10.app.nwを削除する

11.RippleClient.exeを起動して正常に動くことを確認する

※この手順を応用すれば、ビルド済みクライアントのソースを修正することもできます。

ウェブウォレット

ウェブウォレットとは

ウェブウォレットは、Google Chrome などのウェブブラウザでウェブサイトにアクセスして利用するタイプのウォレットです。主にゲートウェイから提供されており、ほとんどのウェブウォレットはサービス提供元以外のゲートウェイからの入出金にも対応しています。日本では Mr. Ripple が独自に実装したウェブウォレットを提供しており、東京JPYなどの他のゲートウェイからの入出金も可能です。デスクトップクライアントとは違い、シークレットキーをウォレットサービスの提供元が管理するため、マルチシグに対応していないウェブウォレットはその分リスクを伴います。また、インターネット上で提供されるサービスのため、常にハッカーからの攻撃にさらされるリスクもあるので、リスクを十分に理解したうえで利用する必要があります。

主要なウェブウォレット

Ripple Trade(公式)
リップル社が実証実験中に提供していた公式のウォレット。2015年10月末で新規登録を停止し、2016年3月31日(米国は1月13日)に停止しました。

Mr.Ripple
Mr.Ripple(ゲートウェイ)が提供する独自実装のウォレットです。東京JPYなどの他のゲートウェイからも入出金できます。

GateHub
GateHub(ゲートウェイ)は独自実装のウェブウォレットを提供しています。東京JPYなどの日本のゲートウェイからも入出金できるようですが、海外のゲートウェイのため個人認証などの手続きが面倒なようです。

Ripple Wallet
yxxyun氏が開発しているシンプルなウェブウォレットでソースも公開されています。

Bluzelle
RippleTrade閉鎖後にリップル社がGateHubとともに推奨していたウォレット。詳細は不明。

Tide Wallet
シンプルなウォレットを目指して開発されているウェブウォレット。近日公開予定?

モバイルウォレット

モバイルウォレットとは

モバイルウォレットは、スマホやタブレットで使用できるウォレットです。

主要なモバイルウォレット

  • Toast Wallet
    Toast Walletは、ニュージーランドの StarStone Limited が開発した Android と iOS に対応したオープンソースで無料のモバイルウォレットです。
    iOS Android ソース
  • Instant Ripple
    Instant Rippleは、Androidに対応したモバイルウォレットです。
    Android
  • Ripple wallet mobile
    Ripple wallet for mobileは、darkdarkdragon氏が開発するモバイルウォレットです。
    ソース

 公式版 iOSクライアント(廃止)

コールドウォレット

コールドウォレットとは

コールドウォレットとは、ネットワークから完全に切り離されて管理されているウォレットです。外部からハッカーによる攻撃を受けないため、資産の保管方法としては最も安全な方法です。コールドウォレットの最も簡単かつ安全な方法は、シークレットキーを紙に記録(印刷)するペーパーウォレットだと言われています。

シークレットキーの保管方法

  • 紙に書く(ペーパーウォレット)
  • 石や金属に彫刻する
  • M-DISC(Millennial Disc)に保存する
  • USBメモリに暗号化して保管する

便利なツール

  • api.ripple.com
    コールドウォレット用のアドレスを生成できます。
    アドレスの生成
  • Bithomp
    Bithompのペーパーウォレット生成ツールです。
    Wallet GitHub
  • Rippy Paper Wallet
    ペーパーウォレットを作成するツールです。
    デモ GitHub
  • generateSecretOffline
    RippleAPIを利用してオフラインでアドレスを生成するツールです。
    GitHub
  • Minimalist Ripple Client
    HTMLをローカルにダウンロードして使えるウォレットです。アドレスの生成やコールドウォレットを操作するのに便利です。
    デモ ダウンロード GitHub
  • ripple-wallet
    Minimalist Ripple Client のようにHTMLをローカルにダウンロードして利用するタイプのウォレットです。アドレスの生成やコールドウォレットの操作にも利用できます。
    デモ GitHub
コインチェック