ディートン弁護士らがアミカス・ブリーフを提出したことについて、ジェレミー・ホーガン弁護士が解説しているので和訳しました。
ディートン弁護士「SECはRippleへの利益の期待が無かったことを証明した」
奥さん:
ジェレミー、あなたが見えないわ。
ホーガン弁護士:
ハロウィンのコスチュームを着たままだからさ。
奥さん:
何のコスチューム?
ホーガン弁護士:
SECを支援するために提出されたすべてのアミカスブリーフのコスチュームを着ているのさ。
(オープニングタイトル)
リーガルブリーフ・アミカス版へようこそ。そうです、アミカスです。なぜなら、ジョン・ディートン弁護士と75,000人のXRPホルダーが、SECに反対するアミカス・ブリーフを提出し、炎上したからです。それについてはまた後ほど。
そしてまた、ビッグ・サプライズのアミカス・ブリーフが提出されました。だから私たちは飲み会ゲームも始めます。今日は私がアミカスと言うたびに飲みましょう。頑張ってくださいね。
まず、アミカス・ブリーフとは何でしょうか? そして、なぜそれが重要なのでしょうか? そして、私たちがRipple対SEC訴訟で10件のこれらのアミカス・ブリーフの提出を受けたことがなぜ重要なのでしょうか? それらは全てがSECに対するものです。
信じられないかもしれませんが、アミカス・ブリーフはローマ帝国の時代に始まり、その訴訟に関与していない人たちが提出しました。しかし、その訴訟の影響を受けるであろう人々が、裁判所に呼ばれて、判事と話をし、彼らの見識を裁判所に提供するように頼まれることがありました。このような人たちは、「法廷の友」として知られるようになり、ラテン語でAmicus Curiaeと呼ばれました。
ここで、裁判所からのフォントサイズのルールに従うことを忘れたアミカス(法廷の友)を紹介します。
(スパルタでペルシャの使者が接待される絵)
昔はとても厳しかったんです。アメリカの裁判所では、アミカスに関するルールは連邦民事訴訟規則の第29条で規定されています。この規則には、基本的にアミカスの具体的なルールが記されています。しかし、要約すると、アミカスは判事の裁量で認められたり認められなかったりします。唯一の目安としては、アミカスは何か新しいもの、当事者自身が提起していないもの、できないものをもたらすべきであるということです。
Ripple対SEC訴訟では、現在8、9、10ほどのアミカス・ブリーフが提出されています。数え切れません。数え切れませんが、最近立て続けに提出されています。それらはすべて何らかの形でSECに反対しています。
The Chamber of Digital Commerceのアミカス・ブリーフはごく普通のものでした。米国ブロックチェーン協会はリップル社の主張をうまくまとめています。そして昨夜私が寝ている間に、私が今まで聞いたことのなかった The Crypto Council for Innovation がアミカス・ブリーフを提出し、これも非常に興味深いものでした。
そして、面白いブロックチェーン企業がリップル社への支持を表明しています。しかし、私にとって最も興味深かったのは、その会社のアミカス・ブリーフでした。なぜなら、彼らは判事が知るべき、また知りたいと思うような非法律的な事柄を持ち出してきたからです。
SpendTheBitsという会社の最新の例を見てみましょう。最初のページを見てください。
SpendTheBits, Inc. (「STB」) は、カナダのアルバータ州を拠点とし、Jaskaran (Jay) Kambo によって設立された外国の営利企業です。STBは、リップル社の知見、許諾、支援なしに、XRP Ledger(以下「XRPL」)の分散化されたオープンソースのブロックチェーン技術を用いて、ビットコインを送金するアプリケーションを設計しました。
そして、同じ段落の後半
XRPはXRPLのネイティブトークンであるため、STBはアプリケーションの運用にXRPを利用します。
もし私が判事だったとすれば、リップル社の回答書を一通り読んで、この訴訟が何なのかを理解しようとしたとき、このアミカス・ブリーフは、いくつかのことを非常に明確に私に教えてくれます。まず、誰でもXRP Ledgerを使うことができ、XRPはそれを使うための鍵を持っているようなものだということです。そしてさらに、リップル社は誰がXRP Ledgerを使うかさえもコントロールすることができないということです。
そしてそれは、XRP Ledgerがかなり分散化されている印象を与えます。オープンソースソフトウェアのようにです。もしかしたら、判事は2000年代のFirefoxブラウザのようなものを聞いたことがあるかもしれません。もしかしたら、彼女は当時それを使っていたかもしれません。
ブロックチェーン技術を理解していないかもしれませんが、彼女はそれを知っているはずです。このアミカス・ブリーフが説明しているものは、間違いなく証券のようなものではありません。そして、全く別の角度から物事を捉えたアミカス・ブリーフがあります。これはI-Remitという会社からのアミカス・ブリーフです。
そのアミカス・ブリーフの1ページ目をざっと見てみましょう。
I-Remitは送金を円滑に行うための主要な仕組みの一つとして、「RippleNet」ソフトウェア製品を採用しています。被告リップルラボ社(以下「リップル社」)が開発した RippleNet は、顧客が様々な方法で国境を越えた金融取引を清算・決済することを可能にするものです。その方法の一つが、XRPと呼ばれる仮想暗号通貨を使用するOn Demand Liquidity(以下「ODL」)と呼ばれるソフトウェアによるものです。XRPは、オープンソースの技術である(リップル社が所有していない)「XRP Ledger」上で動作し、国際的な取引をほぼ瞬時に安全に記録することができます。
つまり、ここでは、アミカスは実際にリップル社のソフトウェアでXRPを使用しています。ですから、SpendTheBitsのアミカス・ブリーフとは異なります。しかし同時に、誰もがXRPを購入する主な理由は単に価格を予測するためであるというSECの主張に対して、このアミカス・ブリーフが何を行っているかを見てください。
2ページの一番下を見てみましょう。
I-Remit – そして日常的に国境を越えた資金移動に XRP を使用している無数の類似企業 – はその生きた証です。I-Remitは、XRPを「投機するために」使用しているわけではなく、XRPを時間の経過とともに固有の価値が増加することが期待される「投資」であるとも考えていません。
その通りです。現実の企業がXRPの現実の用途について話しています。つまり、弁護士が単に弁論趣意書の中でベラベラベラベラと話しているだけではないのです。判事はこのようなものが大好きです。そしてこのようにして、SECのメインの主張は撃沈しました。
(Milton Bradley BattleshipのCM)「私の戦艦を沈めたな!」
実際、これらのアミカス・ブリーフを見ると、ある部分はリップル社の穴を埋め、ある部分はSECの主張に新たな穴をあけていることがわかります。10対1の戦いのようなものです。SECが可哀想になりそうなぐらいです。「なりそう」ですよ。
(ハロウィン KILLSでマイケル・マイヤーズがボコボコにされる動画)
でも、待ってください。もう一つサプライズがありました。
飛び入りでもう少しマイケルをボコボコにしたかった村人の男です。そして、これは昨夜の青天の霹靂でした。取引所のCoinbaseです。そう、あのCoinbaseです。SECがリップル社を提訴した直後にXRPを上場廃止にした悪名高きCoinbaseです。CoinbaseもSECに対してアミカス・ブリーフを提出し、戦いに飛び込んできたのです。
そして、Coinbaseはマイケルのどの部分を攻撃したのでしょうか? 彼らは、リップル社のフェア・ノーティス・ディフェンスをサポートするために出てきたのです。
それがこちらです。彼らのアミカス・ブリーフの18ページ目の段落の抜粋です。
SECの現委員長であるゲイリー・ゲンスラーは、ルールメイキングを開始するのではなく、スピーチや証言を通じて様々な主張を行い、暗号通貨市場に恐怖と不確実性をもたらしてきました。しかし、特定のデジタル資産がまだ公表されていない基準の下で、証券となる可能性があるという非公式な示唆を続けており、SECの執行の優先順位の不規則な変化と相まって、今や米国の暗号通貨業界と市場参加者に手に負えないほどの不確実性をもたらしています。
アウチ! 勇敢な言葉です、Coinbase。勇敢な言葉です。XRPを再上場させることで、それをバックアップすることができるかもしれません。ちょっと言ってみただけです。
Coinbaseのアミカス・ブリーフを読んでいて気になったのは、XRPの独自の内部分析や、2018年に行われたSECとのミーティングではSECがXRPが証券であることを伝えなかったことについては触れられていなかったことです。しかし、それにもかかわらず、Coinbaseが6社と3つの団体とともに参加したことは良かったです。
そして、もしそれがSECにとって十分に悪い打撃ではなかったとしても、昨日、ジョン・ディートン弁護士と75,000人のXRPホルダーが戦いに飛び込んだことで、すべてがさらに悪くなったのです。私は個人的に、この瞬間をずっと待っていました。なぜなら、企業が廃業したり損害を受けたりするのと、罪のない個人の購入者が傷つくのは全く別のことだからです。
そして、このアミカス・ブリーフは、関連する法的問題を力説するものでした。しかし、私にとって最も重要なことは、このアミカス・ブリーフが、他のどのアミカス・ブリーフにもない、あるいはできなかった、2つのことを行ったということです。まず、ディートンは、「第三者の努力」の観点から、HoweyにおいてSECを完全に打ち砕きました。
XRPが証券であるためには、購入者、つまり私やあなたが、主にリップル社による価格上昇を期待してXRPを購入しなければなりませんでした。そしてそれを証明するために、SECは専門家を雇い、XRPの合理的な購入者がXRPを購入したとき、リップル社による価格の上昇を期待していたと言わせたのです。
そして、彼のアミカス・ブリーフの16 ページでディートンがその主張に対して行っていることを見てください。
SECは、彼らの主張する理論を裏付ける判例を提示していません。先例がないため、SECの当初の方針は、専門家とされる人物(「専門家1」)が、意見を形成する前に一人のXRP保有者にもインタビューすることもせず、その程度の憶測に頼ることでした。
そして、その後
SECは、法廷助言者やXRP保有者に起因する知識や行為に関連する証拠を提供していません。
そして、ディートンは最後に、実際のXRP購入者によって記録に提出された実際の購入者の宣誓供述書に直面したとき、そしてそれらの宣誓供述書に直面したとき、SECの専門家は実際に自分の意見を撤回し、異なる結論に達する必要があるかもしれないと認め、この問題に取り組むためにもっと多くの作業と分析をする必要があったことを強調しています。
つまり、専門家が自分の立場を覆したということです。これはとてもとても珍しいことです。専門家を雇うのは、彼または彼女が意見を形成し、それを貫き通すためです。しかし、専門家がディートンの提出した宣誓供述書を見たとき、彼は撤回する必要性を感じたというのがディートンの主張のようです。そうです、「知的誠実」(intellectually honest)です。
しかし、それはHoweyテストの4つの要素のうち1つについても、SECには証拠がない可能性を残すことになりました。これは、SECの訴訟のど真ん中にあるブラックホールのようなものです。
(便器の画像)
僕は便器じゃなくて「ブラックホール」と言ったんです。まあ、いいでしょう。
このトピックに関して、私はいくつかの非常に独創的な優れた弁護を指摘する必要があります。それは、アミカス・ブリーフの26ページにあります。SECの申し立てでは、リップル社の最初の5~6年間はXRPのユースケースがなかったことを大々的に取り上げ、人々は投機目的のためにだけXRPを買っていたとほのめかしています。
ディートンがアミカス・ブリーフの26ページでそれをどう覆しているかを見てください。
まとめると、SECはXRPの購入者がリップル社の努力に依拠したことを証明できていません。むしろ、SEC自身の主張は真逆のことを証明しています。SECによると、リップル社は「2018年まで出てこなかったODL製品まで、XRPの用途を見つけることができませんでした」。
したがって、リップル社は XRP の「用途」を見つけるのに6年以上かかり、「その用途」とされる XRP の最初の販売を行うのに8年かかりました。それらの努力に基づく利益を合理的に期待することができたXRP保有者は誰もいません。
彼がここで何をしたかわかりますか? 彼はちょっとした法的な合気道のようなことをし、SECの主張を覆したのです。リップル社がXRPの用途すら持っていないのに、どうしてXRPの価値を高めることをリップル社に期待できるのでしょうか。意味が分かりません。
また、ディートンの申し立ては、もう一つ、この訴訟に不可欠なことを行っています。そして、これには私が昨年も触れました。それは、この訴訟を人間らしくすることです。これはもう、規制当局が企業を攻撃しているだけではないということです。この訴訟が引き起こした被害には、実際の顔があるのです。
ディートンのアミカス・ブリーフの19ページを見てください。
SECは、この訴訟を起こすだけで、「罪のない第三者に数十億円の損失を与える」ことを十分認識していました。
彼はグランドフェスト氏の書簡を引用しています。
その損害は「150億ドル以上であり、XRPの数多くの革新的なアプリケーションを破壊する」結果となったため、彼の警告は的確以上のものでした。150億ドルの損失の下に埋もれているのは、市場のボラティリティによってではなく、よく言えばSECが根本的な技術を誤解しているため、悪く言えば「この訴訟が進むにつれてSECに選択肢を与えるために意図的にミスリードしている」ために、深刻な被害を受けた実際の人々なのです。
このアミカス・ブリーフから判事が学ぶべきことは、ここに集約されていると思います。人々を守るはずの政府機関によって危害を加えられた人々です。しかし、どうやら投資家を守ることよりも優先すべきことがあるようです。私はこのアミカス・ブリーフをとても楽しみました。非常によくできています。
そして今、私たちは10のアミカス・ブリーフを手に入れました。そして、それらはすべて、さまざまな角度からSECを攻撃しています。「ワオ!これはすごい!ジェレミー、何かデメリットはないのか」と思われるかもしれません。そうですね、1つあります。それは時間の問題です。
今朝、フィラン弁護士がツイッターで言ったように。
みなさん、明日、私がSECによる、これらすべてのアミカス・ブリーフに対応するための追加ページと追加時間を求める申し立てを掲載しても、驚かないでください。それはやってきます。
悪い予感がします。しかし、ブロックチェーン・コミュニティからのこのような関心とサポートは、良いことであり、美しいことだと思います。そして、私はこの訴訟がSECの横暴に対する叫びと関心の的になっていることを嬉しく思います。ご視聴ありがとうございました。