スタンダード・チャータード銀行、アクシス銀行、RAKBANKがRippleNetを利用した国際送金を開始

シンガポール-インド-UAE間の国際送金がスタート

リップル社は公式ウェブサイト上でスタンダード・チャータード銀行(シンガポール)、アクシス銀行(インド)、RAKBANK(UAE)が RippleNet を利用した国際送金を開始したと発表しました。

発表によると、シンガポールのスタンダード・チャータード銀行は、同行の企業向けデジタルバンキング・プラットフォーム『Straight2Bank』を通じてインドのアクシス銀行への国際送金サービスの提供を開始しました。これにより、インドとシンガポール間で行われる年間150億ドルの送金が摩擦なく迅速に行われることが約束されます。

また、インドのアクシス銀行はアラブ首長国連邦(UAE)の RAKBANK との間でも RippleNet を利用した国際送金を開始しました。UAEではインド人の出稼ぎ労働者により年間126億ドルのインド向けの国際送金が行われていると試算されており、これらの小口送金に RippleNet を介した送金が利用されると予想しています。個人送金は一般的に金額が小さいですがボリュームが大きいため、RAKBANK は RippleNet を利用することで個人顧客に対して簡単で安価な送金サービスを提供することでシェアを拡大することができるとリップル社は述べています。

リップル社の Marcus Treacher(Global Head of Strategic Accounts)は次のように述べました。

「スタンダード・チャータード銀行、アクシス銀行、RAKBANKは、顧客の進化する要求を認識し、それらの今日のニーズと、スピードと透明性に対する期待が高まる将来のニーズに対するより良いサービスの提供に動き始めています。この商用サービスは、世界中の企業や移民労働者が閉じ込められた流動資産を開放し、グローバルな商取引を加速し、重要な資金を可能な限り早く母国に送ることを助ける重要なステップです。」

出典:ripple.com

 

RippleNetの仕組みと送金網の確立

今回の発表では、シンガポールとインド間での送金、そしてインドとアラブ首長国連邦(UAE)間での送金という2つの国際送金経路で RippleNet の利用が開始されたことが発表されました。しかし、ILPを利用した RippleNet の仕組みを考えると、技術的にはシンガポール、インド、UAEの3ヵ国での送金がインドのアクシス銀行を介して可能になったことを意味します。これはインターネットの仕組みに例えると、各銀行がお金のパケットを中継するルーターのような役割をするからです。つまり、技術的に見ればシンガポール-UAE間の国際送金も可能になったと言えます。

これまではSBIレミットが今年の6月から日本ータイ王国間で RippleNet を利用した国際送金を開始したことと、今年の10月には Cuallix が米国ーメキシコ間で xRapid/XRP を利用した実送金を行ったことが発表されていました。これにより、現在は日本タイ米国メキシコに加え、シンガポールインドUAEの7ヵ国で RippleNet が動き始めたことになります。そして、今回発表を行ったスタンダード・チャータード銀行が香港ドルの発券銀行であることも重要なポイントです。既に稼働しているかどうかは分かりませんが、先日はアメリカン・エキスプレスとサンタンデール銀行が米国ー英国間での国際送金に RippleNet を利用することも発表されています。

こうして見ると、日本、タイ、米国、シンガポール、インド、UAEなどで早い時期に RippleNet が動き出すだろうという古参リップラーの予想は見事に当たりましたが、これは私たちの予想が当たったというよりもリップル社(と関係各社)が計画通りに着々と事を進められていることを意味します。彼らが扱っているのが金融機関の送金システムであることを考えると、想像を超える凄まじいスピードで RippleNet を利用した国際送金網を確立するためのプロジェクトが世界各国で進行していることが伺えます。(関係者の方々の努力には本当に頭が下がります。)

 

もうすぐ紅白歌合戦

ここまで来れば、来年から再来年にはほぼ全世界の金融機関が RippleNet に接続されると考えても良いでしょう。もちろん、その頃には xRapid/XRP を利用して国際送金を行う地域も圧倒的に増えていることでしょう。時が経つのは本当に早いもので、今年も残すところ約1か月となりました。日本はもうすぐ紅白歌合戦の時期です。来年の紅白歌合戦の頃には、おそらく世界中の人達が想像もしていなかったようなイノベーションを目の当たりにするでしょう。そうした未来の変化は、単に Ripple だけがもたらすものではなく、既存の仕組みや将来実用化される様々な先進技術との連携・応用によって生まれるものではないでしょうか。おそらくリップル社が見据えているのはそこでしょう。

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