Ripple(リップル)とは

Ripple(リップル)は、ビットコインの初期の開発者でビットコイン取引所のマウントゴックスの創業者としても知られる Jed McCaleb 等によって開発されたブロックチェーン技術を応用した決済プロトコルです。二重支払いの防止をProof-of-Work(PoW)ではなく、コンセンサスと呼ばれる独自に開発されたアルゴリズムによって行っています。これによりビットコインの致命的な弱点であるスケーラビリティや消費電力といった問題を克服しています。また、ビットコインと比較して決済が高速(数秒)であり、現在のところセキュリティホールは発見されていません。

公式動画(日本語字幕あり)

ビットコインとの大きな違いはその目的で、Ripple はビットコインのようにドルや円といった法定通貨に取って代わる電子マネーを生み出すことを目的とせず、Rippleネットワーク上で金融機関が発行する『IOU』と呼ばれる電子的な手形を交換することで国際送金を実現するのが主な目的です。これは現在の Ripple というシステムが、2004年に Ryan Fugger によって考案されたRippleプロトコルをベースにして、後に開発されたコンセンサス・レジャーと呼ばれる P2P の分散型台帳と統合されて誕生したことに起因します。リップル社は2015年に世界経済フォーラムテクノロジーパイオニア賞を受賞し、FRB も Ripple の紹介動画を公開しています。

世界経済フォーラム テクノロジーパイオニア

FRB による Ripple の紹介

また、ブロックチェーンなどの異なる台帳同士を接続するためのプロトコルとして、ワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアム(W3C)によって標準化が進められているインターレジャー・プロトコルの開発が Ripple の開発元であるリップル社によって行われています。 インターレジャー・プロトコルは2015年10月にリップル社により発表され、同年11月に同社からリファレンス実装が公開されました。

2016年9月7日現在、国内外の大手金融機関が続々と Ripple の採用を表明し、金融機関向けエンタープライズ製品への Ripple の統合が進められています。また、リップル社ロンドン支部のジェネラルマネージャーを務める Marcus Treacher(元SWIFT取締役)によれば、国際銀行間通信協会(SWIFT)も自社のラボで Ripple の試験を行っています。

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