ILPに関する発言(David Schwartz) – 2016-09-15

和訳

ILPは、レジャーをまたぐ取引のためのプロトコルです。エスクローとリリースという2つの非常に単純な基本要素の上に構築されています。 一方のレジャーのリリース条件が、もう一方のレジャーへの支払いである場合にマジックが起こります。

ILPが何か有用なことを達成するためには、少なくとも2つのレジャーが必要です。これらのレジャーは、RCL、Bitcoin、ILPをサポートする既存のプロプライエタリなレジャー、またはILPトランザクションを補助するために作られたカスタムビルドのILP「サイド」レジャーです。

Ripple Connectは、銀行がILPおよび/またはRCLを使用して支払いを行うことを可能にするプロプライエタリなソフトウェアの一部です。このソフトウェアは取引、そして監査能力とコンプライアンスなどの金融機関の要件を満たすための調整・設定の両方を担います。

ILPのユニバーサルモードは公証人やバリデータを必要としませんが、決済リスクがあります。これは、小口の取引向きかもしれません。しかし、大口の取引のためには、障害点を減らすための公証人を必要とするアトミックモードが本当に必要です。公証人は、RCLバリデータに類似していると考えることができます。ただし、公証人は単一の取引にのみ同意し、非公開で運営することができます。

私はここでもう少し詳しく説明しました:https://forum.ripple.com/viewtopic.php?f=1&t=15723

いかなるILP取引も、XRPによってブリッジされるための重要な技術的障害を持ちません。唯一の障害は規制/コンプライアンスとコストです。Rippleの課題は、ILPを促進し、XRPのスプレッドを下げ、規制/コンプライアンスの問題に取り組む金融機関を支援することです。

 

てにったーさんの意訳

インタレジャープロトコル(ILP)とは、レジャー(台帳)間取引のための通信ルール(プロトコル)です。ILPは、2つのシンプルな基本機能で構成されています。つまり、条件付き証書機能(エスクロー)と実行機能(リリース)です。一方のレジャーのリリース条件が、もう一方のレジャーへの支払いとなる場合に、このILPマジックが起こります。

ILPは為替/送金取引に関わるレジャーを少なくとも2つ必要とします。レジャーの例としては、Ripple Consensus Ledger(RCL; 現XRP Ledger)、ビットコイン、ILPをサポートするあらゆる専用レジャーが挙げられ、あるいはILP取引を容易に行うためだけに作られたカスタムILP的なレジャーもその対象です。

Ripple Connect(現xCurrent)とは、銀行がILPまたはRCLを使って送金できるようにするための専用ソフトウェアのことです。このソフトウェアは取引そのものだけでなく、監査やコンプライアンス等、金融機関が求められるのに見合った設定・調整も取り扱います。

ILPには主に、ユニバーサルモードとアトミックモードという2つのモードがあります。

ユニバーサルモードとは、公証人(Notary)やバリデータのような第3者を選出する必要がないモードです。しかし、決済に不履行・持ち逃げ等のリスクが伴うことから、一般にはユニバーサルモードは小額取引向けであると言えます。また同じ理由で、2つのレジャーの間に入るコネクタ(市場提供者・流動性提供者)が要求する手数料が高くなりえます。一方、アトミックモードは高額の取引で望まれるであろうモードです。このモードでは、取引失敗となるポイントを減らすために公証人を選出する必要があります。公証人というのは、RCLのバリデータに類似のもの(監視者)と考えて差し支えありません。ただし、RCLバリデータと異なる点が2つあります。1つは、公証人は各取引1回きりの承認となること、もう1つは(パブリックではなく)プライベートで実行できること、です。

下記でももうちょっと詳細な説明をしています。
https://forum.ripple.com/viewtopic.php?f=1&t=15723

ILP取引では、いかなる場合でもXRPブリッジングへの重大な技術的障壁は存在しません。残る障壁は規制・コンプライアンス、そしてコストだけです。したがって、リップル社の課題は、ILP推進、XRP取引スプレッドの縮小、規制・コンプライアンス問題を対処する金融機関の手助け、となります。

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