ついにILPに完全対応したrippled 0.60.0がリリース。新機能をざっくりと解説!

rippled 0.60.0がリリースされました。 ILPに正式対応その新機能の概要について説明します。

Rippled version 0.60.0の概要

リップルネットワークのプログラム(Rippled)の0.60.0がリリースされました。主な新機能は下記となります。

  • Escrow(元Suspay)機能のサポート(3/30に有効予定)
  • 動的な管理者リスト(UNL)のサポート
  • PaymentChannelのサポート(3/30に有効予定)

Escrow(エスクロー)について

長らく”Suspay”と呼ばれていた機能で、最近分かりやすさから”Escrow”という名前に変わりました。情報が公になってから1年半、やっとのこと正式リリースです。本機能は暗号技術の特性を活かし、持ち逃げや紛失リスクがなく、1対1安全な価値交換を実現することが可能となります。また、この機能により、ビットコインやイーサリアム、リップルコネクタを採用する銀行など異なるネットワーク(台帳)を、相互に繋ぐ標準規格を目指しているILPに対応することになります。また、特に注目すべきは、本機能はXRPのみサポートとなります。IOUでは動作しません。詳細は下記の記事で解説しているので、興味がある方はご覧になって下さい。

 

動的な管理者リスト(UNL)について

リップルネットワーク(Ripple Consensus Ledger:RCL)には、取引を承認する管理者(Validator)が存在します。当然、信頼できる管理者がネットワークを管理するのが望ましいですが、リップル社が過去の管理者の振る舞いから信頼出来る推奨する「管理者リスト(UNL)」を公開していました。この事から、リップルネットワークは実質的にはリップル社が管理していたことになりますが、真の価値送金インフラを目指す上では、特定企業に依存しないのが理想です。そこで、動的に管理者リストを発行する機能がリリースされました。これにより、ネットワークの管理する振る舞いから自動的に信頼出来る管理者が選ばれるようになります。

悲しいことに私は動的にUNLを生成するアルゴリズムは理解出来てないので、気になる方はソースコードかgithubのコメントをご参照下さい!

 

PaymentChannel(ペイメントチャネル)について

 

これは既にビットコインでは数年前に実装された機能の類型(実は細部では異なる)となりますので、基本的機能はグーグル先生で「ペイメントチャネル ビットコイン」などで検索すれば分かると思います。ざっくりいうと、お金を送りたい人とお金を受け取りたい人の間で専用の送金トンネルを作ります。これにより、手数料無料で超高速な送金を可能にします。また、外部からは送金合計額以外の取引の詳細を知られることがないなど、プライバシー・セキュリティの意味でも重要な機能となります。リップル社はILP-Enabledな台帳間で価値送金をするときに特に使われると予定しています。ここでも注目すべきは、本機能はXRPのみサポートとなります。IOUでは動作しません。詳しいペイメントチャネルの説明は下記の記事をご参照下さい。

 

最後に

繰り返しますが、安全に価値交換するEscrow機能と手数料無料で超高速な送金が可能なPaymentChannel機能はXRPのみのサポートとなります。そして、両機能のサポートをもって、異なる台帳(例えばビットコイン、イーサリアム、A銀行、B銀行)などを相互に繋ぐ規格であるILPに完全対応となります。つまり、ILP対応台帳間での価値送金にリップルネットワークを使いたいと思った時、XRPを利用するのがベストということになります。XRPが実際に使われるかは未来にならないと分かりませんが、今後が楽しみで仕方ありません。

以上となります。

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