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はじめに
はじめに本記事の内容はあくまで私個人の見解なので、全てご自身の判断(自己責任)でお願い致します。また一度、本ブログの免責事項の確認をお願いします。
XRPについて
さて、今回はRipple inc.(リップル社)のXRPについて考えてみて行きたいと思います。
XRPに関して、巷ではよく下記のような話を耳にします。
- リップル社が成功してもXRPは成功しない
- XRPはただのブリッジ通貨なので、XRP自体に需要がなく無価値である
- 銀行はリップルネットワーク(RCL)を採用しても、XRPは採用しない
しかし、私は皆様がこう思われても仕方がないと思っています。リップルネットワーク(RCL)とXRPの仕組みはあまりに複雑で、相当気合いを入れて読まないとちんぷんかんぷんです(かくいう私もまだ分からない事だらけですが・・・)。しかも重要な部分は日本語訳されてなかったり、そもそも日本語がわかりにくかったりと。。。
本当にXRPに価値はない要らない子なのでしょうか?
ちなみに、リップル社はXRPについてホームページ上で下記のように述べています。
そのうち私たちが市場に注入する追加供給を相殺して上回るXRPの需要増が期待できると思っています。
引用元:ripple.com
どうやらXRPの需要は増える(つまり、価値は上がる)と言ってます。なーんだ…結論出てるので今日の記事はこの辺で….!
と行きたい所ですが、それでは皆様はご納得しないと思いますのでしっかり書きたいと思います(笑) ちょっと長くなってしまいましたが、お付き合い下さい。。
XRPの2つの役割
ここで今一度XRPが持つ役割に立ち返って考えていきます。XRPには大きく2つの役割が存在します。それと同時にXRPが使われる場面でもあります。
- 悪意ある攻撃からネットワークを保護する役割 (手数料、ウォレットのアクティベート手数料、注文手数料など)
- ブリッジ通貨としての役割
ネットワークの保護
まずはXRPの役割としてネットワークの保護ですが、これは悪意を持つ人からリップルネットワークを守るためにあります。リップルネットワークでは送金する度に少額な手数料が必要ですが、この手数料が攻撃目的で連続送金などでネットワークに負荷をかけると指数関数的に増えていきます。これによって、攻撃者はすぐにXRPが尽きて破産することになります。その他の、注文手数料なども同様にネットワークを守るために設定されています。この手数料は、破棄されることになるので、徐々にXRPの発行総量は減っていきます。
ブリッジ通貨
次にブリッジ通貨として役割の説明です。これは一言でいうと「XRPはありとあらゆる通貨(価値)の交換を繋ぐ架け橋」としての役割です。下記はXRPポータルから引用した画像ですが、通貨(価値)の交換に、XRPというデジタルブリッジ通貨を用いるおかげで、価値交換がシンプルなります。この事により、マーケットメーカーはある通貨とXRPとの間だけに、流動性供給に専念すれば良いです。これがXRPの最大の役割であり、需要となる部分です。
引用元:ripple.com
XRPに需要があるワケ
では、XRPが持つ役割をXRPの需要面から考えてみましょう。まずネットワークの保護としての手数料です。リップルネットワークでは送金手数料は消滅するので、取引が増えれば増えるほどXRPの総数はどんどん減っていきます。じゃあこれで値上がる! と思いますよね。が、しかし、残念ながらこれは望めません。なぜならリップル社が望んでないからです。Internet-of-Value(価値インターネット)の構築を目指しているリップル社にとって、送金手数料は限りなく無料であって欲しいのです。現在の送金手数料の最低額は0.012XRPほどだったと思いますが、リップル社はXRPが値上って実質の送金手数料が増えるようなら、更に送金手数料を下げると言っています。これでは取引回数が増える=XRPの価値があがるとはなりません。あくまでネットワーク保護目的以上の意味はないのです。
ということで、価値が上がる秘密はやはりブリッジ通貨にあります。どうしてただのブリッジ通貨にそんなに需要があるのでしょうか。いまは公開されてませんが、昔のリップル社の資料にXRPの役割を指して、”bridge currency” or “vehicle currency”と表現している一文があります。(資料のタイトルは”The Ripple protocol: A Deep Dive for finance Professionals”ですので、お手元にある方は目を通してみても良いかもしれません。この資料が一番リップルネットワークの本質を説明していると思います。) そう、XRPは「価値を運ぶ乗り物(意訳)」とも訳せるんですね。
ふーん、乗り物ね。。。ということでXRPを飛行機、価値を荷物に例えて説明を試みます(試みるだけです 笑)。毎日、世界中で数多くの荷物が飛行機で運ばれています。日本からアメリカ、中国からドイツに、それこそ無数に。そして、飛行機に載る荷物の数は限界があります。さらに空港のスケジュールが一杯で飛行機の増便は出来ません。そして、だんだん世界中が発展して、運ばれる荷物が増えていきます。すると、飛行機に載せることが出来ない荷物が出てきます。でも飛行機の増便は出来ません。これを解決するには1機の飛行機が運べる荷物の数を増やすしかありません。そうです。飛ばせる飛行機の数が決まってる中では、より多くの荷物を運ぶには飛行機の積載数を増やすしかありません。XRPは価値を運ぶ乗り物ですから、XRPの価値があがれば、運べる価値の量も増えます。
と、このような例で分かって頂けましたでしょうか(汗)。直接説明すると、1XRPが運べる価値(お金)の量は決まっています。いまだと1XRPあたり0.6円程度でしょうか。とすると600円の価値を運ぶときは1000XRP必要になります。XRPの発行総数は1000億XRPが上限ですので、流通する価値が増えれば増えるほどXRPの価値が上がらないとお金という荷物を運び切れなくなります。XRPを持つ必要(=需要)が生じれば、価値が上がっていくのはある種必然なのではないでしょうか。
以上がリップル社が説明する「リップルネットワークが普及すれば、いずれXRPの価値は上がる」の理屈です。ただ気をつけなければいけないのは、まだ大量のXRPはリップル社の手中にあります。つまり価値を運ぶ乗り物の数は増える可能性があるので、短期的には価値が下がることもありえます(リップル社は2020年までは500億XRPを保有していくと言っていますが。。。)。
3つの疑問
さて、以上を踏まえて、最後に最初の3つの疑問に答えて見たいと思います。
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リップル社が成功してもXRPは成功しない
→リップル社の事業が成功して、リップルネットワークが普及していけば、ブリッジ通貨としてのXRPにも需要が生まれてくる思います。
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XRPはただのブリッジ通貨なので、XRP自体に需要がなく無価値
→ここは意外とややこしいのでちゃんと説明します。例えば日本のA銀行がアメリカのB銀行に送金する場合は、JPY→XRP→USDという流れになります。そしてJPYとXRPおよび、XRPとUSDの間に流動性を供給するマーケットメーカーが存在するとします(説明を簡単にするために一つのマーケットメーカーが両通貨に流動性を供給することにします)。
- マーケットメーカーはA銀行にXRPを売り、JPYを買い取ります。
- 次にA銀行はB銀行にXRPを送ります。
- B銀行はマーケットメーカーにXRPを売り、USDを受け取ります。
ここで重要なのはマーケットメーカーは一度XRPを手放します。重要なのでもう一度言います。マーケットメーカーは一瞬でもXRPを手放すのです。つまり、手放すからには常にマーケットメーカーは送金額のXRPを保持してなくてはなりません。これがXRPの実需となります。そして、銀行からの送金の額が増えれば増えるほど、マーケットメーカーはそれをカバーできるだけのXRPが必要となり、XRPの需要は高まっていく事になります。
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銀行はリップルネットワーク(RCL)を採用しても、XRPは採用しない
→確かにXRPを使わずにIOU(自分発行の債券)を送り合えば送金出来ます。ですが、これはいまの国際送金の形とほとんど変わりません。自分の所でしか換金出来ない債券を送る仕組みにスケーラビリティがあるとは思えません。如何なる組織からも独立したデジタル資産を送り合うことに意味があると考えています。なにより上の「ブリッジ通貨の役割」で説明したとおり、ブリッジ通貨がないと、価値交換のネットワークは複雑になってしまいます。法的な問題はおいといて、XRPを使わないというのは技術的にもコストも的にも百害あって一利なしだと思います。
最後に
リップルネットワークとXRPが密接に関係していることが分かったと思います。私はXRPはRippleの中核と言っても過言ではないと思っていますが、もし異論・ご意見などありましたら、コメントを宜しくお願い致します。大事なことなので議論する価値は多いにあると思います。
以上となります。
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