XRPデリバティブ取引の発表
2016年2月にRipple Inc.がCrypto FacilitiesとXRPのデリバティブ取引を開発すると発表しました。その発表の最後で下記のようにXRPの商用化にはデリバティブ取引が重要な役割を果たすと述べています。
Ripple’s partnership with Crypto Facilities plays a key role as we commercialize XRP for institutional use cases.
引用元:ripple.com
そして、そのデリバティブ取引は、いよいよ2016年8月末にリリースされる予定だと非公式ながらCrypto FacilitiesのTwitterアカウントがつぶやいていることから、近々リリース予定ということが分かります。
@mrlukeduke Private beta to go live next week with public roll-out planned for end of August, will keep you posted.
— CryptoFacilitiesLtd (@CryptoFLtd) 2016年7月28日
そこで、リリース前にデリバティブ取引の導入によりRippleとXRPに起きる変化を少し考えてみました。
デリバティブ取引とは
そもそもデリバティブ取引とは何なんでしょうか。Wikipediaでは下記のように定義されています。つまり、基本的な資産(原資産)であるXRPから派生した商品ということになります。派生というからには様々な性質を持った商品が存在します。
金融理論におけるデリバティブ(英: derivatives)とは、より基本的な資産や商品などから派生した資産あるいは契約である[1]。金融派生商品(英:Financial derivative products) とも言われる。
引用元:wikipedia.org
一般的にデリバティブ取引は下記の3つのような機能を有していると言われています。
- リスクヘッジ機能
- 価格発見機能
- 流動性供給機能
この中でXRPの商用化に重要と思われるのは、「リスクヘッジ機能」「流動性供給機能」だと考えられます。
リスクヘッジ機能
リスクヘッジ機能とは荒い言い方をしてしまえば、リスクヘッジとはリスク(損失の可能性)をコントロールすることです。XRPのユースケースを考えた時にマーケットメーカーや銀行は大量のXRPを保有し続けなければいけないことになります。しかしながら、大量のXRPを持つということは、XRPの価値が下落した時には多額の損失を被ることになります。ですが、「XRPの価値が下がれば利益を得られる」性質を持ったXRP派生商品が存在すれば、適切に損失を出すリスクを調整出来ます。つまり、マーケットメーカーや銀行はXRPデリバティブ商品が無いと大量にXRPを持つ事ができないということがいえます。このことからXRPデリバティブ商品はマーケットメーカー参入に必須だと考えられます。
流動性供給機能
一般的にデリバティブ商品は現物取引より取引コストが低いため、流動性が高いと言われています。(ですが、XRPでは元々取引コストが0に近いため、XRPを原資産と考えた時に当てはまるかは疑問ですが…)。またデリバティブ商品はレバレッジが使えることが多く、少ない資金で大きなお金を動かせます。そういった場合、短期的な投機を狙ったスペキュレーターが多く入ってくるため、取引が活発化し、流動性に厚みが出てきます。これによりXRPの価格変動が安定することになります。
まとめ
以上からデリバティブ取引の導入により予想される変化は下記となります。
- リスクヘッジ機能により、マーケットメーカーや銀行などが大量のXRPを保有する環境が整う。
- 流動性供給機能により、XRPの価格変動が安定する。
ただ、あくまで推測ですので、XRPデリバティブ取引の詳細発表を楽しみにしたいと思います。あとはマーケットメーカーのインセンティブプログラムが導入されれば、XRPを使用した国際送金環境がReadyになるのではないかと考えています。
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