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インターレジャープロトコル
インターレジャープロトコルはリップル社から2015年10月に発表されました。これにより、世界はゼロコストで小額決済や、安全に瞬時に価値を移動することが可能となります。そのため、Internet-of-Valueには必要不可欠な要素と考えられています。そして、現在World Wide Web Consortium(W3C)によって標準化が進められています。
インターレジャープロトコルは、異なる支払いネットワークを繋ぐプロトコルです。では、どのような支払いネットワークを想定し、どのような未来になるのか少し考えてみたいと思います。
支払いネットワークに必要なもの
私の理解では、インターレジャープロトコルに対応する支払いネットワークはたった2つだけあれば良いです。それは、
- 価値記録が可能なこと(台帳があること)
- 価値移動が可能なこと(トランスファーできること)
です。たった上記の2つの条件を満たせば良いのです。つまり、ほとんどの支払いネットワーク(レジャー)がインターレジャープロトコルによって他のレジャーに接続することが出来るわけですね。
5つのレジャーレイヤー
では、どのようなレジャーが想定されているのでしょうか。それは、大きく分けて下記の5つとなります。
- Simple Ledger Protocol (SLP)
- Blockchain Protocols
- Legacy Protocols
- Proprietary Wallet Protocols
- Other Proprietary Protocols
Simple Ledger Protocol (SLP)
これはインターレジャープロトコルがリファレンスとして実装したレジャーとなります。ある意味、公式のレジャーなので、インターレジャープロトコルとの親和性は完璧です。
Blockchain Protocols
これは、例えばビットコインやイーサリウムなどです。正直言ってこれがSLPの次にインターレジャープロトコルと親和性が良いのではないかと思います。なぜなら、インターレジャープロトコルもブロックチェーンも暗号技術をベースとしているからです。そのため、詳しくは触れませんが、インターレジャープロトコルの機能を初めからフルで使えます(暗号エスクローなど)。
インターレジャープロトコルによって、ビットコインとイーサリウムが接続されれば、瞬時にBTCからETHに、ETHからBTCに交換することが出来ます。今でも交換出来るよ?と思われるかもしれませんが、取引所で交換するのとは次元が違います。インターレジャープロトコルでは安全に価値を交換することが出来ます。
取引所で交換する場合、事前に取引所にBTCを入金して、取引所の中でしか価値がないBTCの金券を発行してもらいます。そして、取引所の中でそのBTCの金券をETHの金券と交換します。これだと、取引所が突然消えてしまった場合、金券は全て無価値となってしまいます。銀行が倒産したらお金が帰ってこない状況を想像して貰えばと思います。このような状況では大きなお金を扱うことは出来ません。
一方で、インターレジャープロトコルを使った場合、ビットコインのブロックチェーンの台帳からイーサリウムのブロックチェーンの台帳に直接価値が運ばれることになります。つまり様々存在する全ての暗号通貨のブロックチェーンがインターレジャープロトコルによって接続された場合、取引所を使わなくても、安全に全てのコインに交換が可能というわけです。
Legacy Protocols
これはISO20022やACHといった従来のネットワークを指しています。銀行のネットワークなんかはここに属します。
Proprietary Wallet Protocols
Paypal、Webpay、LINE Payなどのネットやモバイルベースの支払いネットワークがここに当てはまります。
Other Proprietary Protocols
クレジットカードなどのポイント、電子通貨などのネットワークがここに当てはまります。
以上様々なタイプのレジャーを説明してきましたが、要するに、ほとんど全ての価値記録ネットワークがインターレジャープロトコルによって相互に接続することが出来ます。これはすごいことです。なぜなら
- 取引所を使わずにビットコインでイーサリウムを安全に買える
- ビットコインで電子通貨にチャージできる
- 銀行からLINE payに直接入金できる
- クレジットカードのポイントをビットコインに交換できる
などなど、様々な価値同士を安全にゼロコストで交換することが出来ます。
最後に、ここまで読むと、あれ?リップルネットワークって要らないの?って思われる方といるかもしれませんが、そんなことはありません。なぜなら、インターレジャープロトコルだけで接続すると、ネットワークが極端に複雑になってしまい、頻繁に価値移動が失敗する、交換レートが悪い、拡張性がない、など問題山積みです。ですが、リップルネットワークという基幹ネットワークにそれぞれの支払いネットワークが接続する形を取ることで上記の問題が一気に解決することができます。
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