XRP Ledgerの特徴

Escrow

Escrow は、Interledger Protocol Crypto-Conditions のサポートを含む、XRP Ledger 内のエスクローのための XRP の Suspended Payments を提供します。この機能はインターレジャーのコネクターが有する重要な機能です。XRP Ledger の Escrow には、次に説明する SusPay と CryptoConditions が統合されています。

SusPay

SusPay は、XRP Ledger 内のエスクローのために、XRPに Suspended Payments の機能を提供します。SusPayは、Suspended Payment が完了して送金先がXRPを受け取るまで、または Suspended Payment がキャンセルされるまで、それ自身のレジャーエントリーの中に指定された数量のXRPを一時的に隔離します。もし、Suspended Payment がキャンセルされた場合には、SusPayを作成したアカウントにXRPが返金されます。

参考: ILP-EnabledなRippleネットワークに必要なこととは

CryptoConditions

CryptoConditions は、フルフィルメントが何であるかを正確に言うことなくフルフィルメント・メッセージを承認する方法を記述する、標準フォーマットで書かれた配布可能なイベント記述です。フルフィルメントは、イベントが発生したことを証明する暗号的に検証可能なメッセージです。あなたがフルフィルメントを送信すると、条件を有するすべての人が条件が満たされたことに同意できます。フルフィルメントは、条件(メッセージハッシュおよび公開鍵)に一致する署名の提出を必要とします。このフォーマットは、異なるハッシュ関数と暗号署名方式を含む複数のアルゴリズムをサポートしています。CryptoConditions は複数のレベルにネストすることができ、各レベルは複数の署名を持つことができます。

ペイメントチャネル

ペイメントチャネル(Payment channels)は、オフレジャーでの単一の送金先に対するXRP決済のチェックポイントを実現します。チャネルはそれ自身のレジャーエントリーの中に、その所有者のXRPを隔離します。所有者は署名されたオフレジャーのメッセージを受取人に渡すことで、所有者がチャネルに預け入れた残高まで受取人が請求することを許可できます。受取人はチャネルがオープンしている間、任意の未払いの残高を請求するために、この署名されたメッセージを使うことができます。オーナーは必要に応じてチャネルを閉じることができます。もし、チャネルが支払いを終えていない資産を有する場合、オーナーは受取人に請求の機会を与えるため、チャネルを閉じるための遅延を待たなければなりません。受取人はいつでもチャネルを閉じることができます。有効期限が過ぎたあとに何らかのトランザクションがチャネルに触れるとチャネルは閉じられます。支払総額は、新しい請求が発行されるごとに単調に増加します。チャネルが閉じられるとき、残りの残高はオーナーに返金されます。チャネルは、十分な残高がある場合に、ILPトラストラインの断続的なオフレジャー決済を許可することを目的としています。双方向チャネルのために、ペイメントチャネルは両方向に使うことができます。

参考: Rippleネットワークは完成形に近づきつつある

マルチサイン

マルチサイン(MultiSign)は、アドレスに対してトランザクションを承認する複数の署名者のリストを持つことを可能にします。リストは定足数と1から8人の署名者を有します。これは『5人のうちのいずれか3人』や『署名者Aとその他2人の署名者』といったようなバリエーションを設定することを可能にします。

宛先タグとソースタグ

Destination Tag宛先タグ(Destination Tags)は、決済における受取人または宛先を特定するために利用することができるリップル決済の機能です。例えば、ゲートウェイに対するリップル決済は、その支払いがどの顧客に帰属するかを指し示す宛先タグを含むことができます。ゲートウェイは、宛先タグとアカウントの対応をゲートウェイの顧客履歴のシステム内で管理する必要があります。

同様に、ソースタグ(Source Tags)は送金者または支払元を指し示します。通常、ソースタグは支払いの受取人が不払いにする払い戻し先を特定するために利用されます。あなたが入金を不払いとして戻す場合、入金のソースタグを出金(払い戻し)の宛先タグとして利用します。

オートブリッジ

Offer Autobridgingオートブリッジは流動性と生来のブリッジ通貨としてのXRPの利用促進を容易にするために、XRPを介して複数のオーダーブックの橋渡しをします。例えば1JPY=1XRPと0.01USD=1XRPの注文が同時に出された場合、オートブリッジは2つのオーダーブックを合成し、1JPY=0.01USDの取引を可能にします。このようにオートブリッジによって、様々な通貨ペアの取引ができるようになります。

また、XRP Ledger は更にオファーオートブリッジという機能により、IOUを直接掛け合わせたオーダーブックとオートブリッジにより生成されたオーダーブックを合成して、一つのオーダーブックを生成します。

※この機能は XRP Ledger に実装されているため、ILPを統合したRippleソリューションでは XRP Ledger のオートブリッジ機能は利用しません。ILP を利用した送金では両替機能は xRapid のような ILPコネクタによって提供されます。

経路探索(Path Finding)

Path Finding Algorithmリップルの経路探索アルゴリズムは、XRP Ledger を横断する2通貨間の最も安いパスを探索します。ここで言う『最も安い』が意味するのは、支払いの送金者にとって最小のBID/ASKコストを負うパスです。利用者がUSDからEURへ送金・支払いを行いたい場合、これは直接 USDからEURへのワンホップのパスになるか、または、USD => CAD => XRP => EURのようなマルチホップのパスになります。XRP Ledger はマルチホップパスを単一のトランザクションとして処理します。経路探索(Path Finding)は、利用者にとって最も安い交換コストを探し出すようにデザインされています。

リップリング

リップリングは、複数のゲートウェイをトラストして同じ単位のIOU(例えばUSD.snapswapとUSD.bitstamp)を保持している場合 に、片方のIOUが他方のIOUに自動的に置き換わることを許可する機能です。リップリングをONにしたIOUは、同じ単位の他のIOUに自動的に交換される可能性があります。

凍結(Freeze)

XRP Ledgerは、規制の要求への対応や疑わしい活動を調査する間に利用可能な、XRP以外の残高を凍結する機能を提供します。凍結には3つの設定があります。

  • 個別フリーズ – 単独の取引先の凍結
  • グローバル・フリーズ – すべての取引先の凍結
  • ノー・フリーズ – 個別フリーズとグローバル・フリーズの能力を恒久的に放棄する

XRP Ledger上では誰も特権的な場所を持たないため、凍結機能では取引先が XRP や他の取引先が発行した資産で取引を行うことを防ぐことはできません。誰もXRPを凍結することはできません。

すべての凍結設定は、凍結される残高の有無に関わらず成立させることができます。通貨の発行者または通貨の所有者のいずれもトラストラインを凍結することができます。しかしながら、通貨の保有者が発行者を凍結することによる影響はごく僅かです。

参考: リップルネットワークの通貨凍結(Freeze)機能とは

TickSize

TickSizeは、通貨発行者が為替レートで注文を順位付けする際に考慮される有効数字の桁数を設定できるようにすることで、注文がオーダーブックに順位付けされる方法を変更します。この改正により、注文の為替レートは設定された有効桁数に丸められ、より多くの注文が同じ正確な為替レートを持つようになります。この変更の目的は、前に出された注文を上回るためには価格の有意な上昇を必要とさせることです。これにより、メジャーな発行者が使用する場合、既存の注文よりもわずかなパーセント・ポイントしか上回らない注文でレジャーに対してスパムを行うインセンティブが減少するはずです。また、注文をより少ない為替レートにグループ分けすることができるため、レジャーのオーダーブック・ストレージの効率を向上させることができます。

コインチェック