三菱商事がRippleを利用した国際送金実験を開始

三菱商事がMUFGとRippleを利用した国際送金実験

本日の読売新聞一面に大きくRippleが取り上げられました。記事によれば、三菱商事と三菱UFJフィナンシャル・グループはRippleの技術を活用して中継銀行を経由せずに国際送金を行う実証実験を開始するとのこと。また、記事によると三菱商事は現在月に数万件の国際送金を行っているため、Rippleを活用することで送金にかかる経費を大幅に削減することができそうです。

 YOMIURI ONLINE(読売新聞) 
国際送金「数分で」…仮想通貨技術で実用化
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20180513-OYT1T50115.html
 三菱商事と三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、海外の大手金融機関と協力し、新たな国際送金の仕組みづくりに乗り出す。

 

実験にはスタンダードチャータードも参加

三菱商事と三菱UFJフィナンシャル・グループの国際送金実験には、Rippleを活用するインターバンクグループ GPSG を主導するスタンダードチャータード銀行が参加することも分かっています。

実験では、タイからシンガポールにシンガポール・ドルを送金する計画。具体的には、タイの三菱商事子会社がMUFG傘下にある現地のアユタヤ銀行に保有する口座から、三菱商事関連会社がスタンダード・チャータードのシンガポール拠点に設けた口座に送金する。

出典:Yahoo!ニュース

 

スタンダードチャータードが5ヵ国ペアを追加

今回のニュースに先立ってスタンダードチャータード銀行はRippleNetを利用した国際送金をサポートする地域に、更に5ヵ国ペアを追加すると発表していました。

そして今回の報道により追加されるペアの一つがシンガポールタイであることがわかりました。

残り4ヵ国ペアはどこなのでしょうか?

個人的には RippleNet の活用で先行している国といえばシンガポール日本タイインドUAE韓国あたりが思いつきますが、これに加えて英国香港あたりが候補に入ってきそうな気がします。

 

プロジェクトにはGPSGが関与か!?

さて、今回の一連の発表の流れで気になるのは、どうやらこのプロジェクトではスタンダードチャータード銀行が大きな役割を果たしていそうな雰囲気が読み取れることです。

スタンダードチャータード銀行は、2015年10月にリップル社からILPが発表されて間もなくシンガポールの情報通信開発庁(IDA)とDBS銀行とともに Ripple に取り組むと発表しました。その後、Rippleを活用する世界初のインターバンクグループである Global Payments Steering Group(GPSG)バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチカナダロイヤル銀行サンタンデール銀行ウニクレーディト・イタリアーノウエストパック銀行とともに設立し、RippleNet を活用するための標準ルールの策定やネットワークの普及に取り組んでいます。

今回の発表が直接GPSGと関係しているかどうかは不明ですが、少なくともスタンダードチャータード銀行以外のGPSG参加行も RippleNet の活用に向けて何らかの取り組みを行っていることは間違いないでしょう。そういう意味ではアメリカオーストラリアなどが次に RippleNet に繋がる候補となってもおかしくはないと思います。

 

接続される地域は2018年中に発表

Finextraによれば、スタンダードチャータード銀行CEOのビル・ウィンターズは次のように述べていました。

We will expand this capability to five more pairs of countries in 2018.

和訳:
我々は2018年中に対応地域をさらに5ヵ国ペア拡大します。

出典:Finextra

この発言から読み取れることは、既に拡大する5ヵ国ペアは決定しており今回のように発表を待つだけということです。そして同氏の発言から今回の読売新聞の発表までがあっという間であったように、残る4ヵ国ペアに関しても近々発表されるのではないでしょうか。

コインチェック