世界最大の送金業者がRippleNetに参加
リップル社から世界最大の送金業者であるUAEエクスチェンジが RippleNet に参加したというプレスリリースが発表されました。
本日、創業35周年を迎えた国際送金・外国為替・決済ソリューションの大手ブランドのUAEエクスチェンジは、過去35年間、アラブ湾岸地域の経済成長に伴って発展を遂げており、世界最大の送金業者として、現在では年間260億米ドルを超える送金処理を行っています。
国際的な送金業者5社のうち3社が2018年中にXRPを利用開始
リップル社がツイッターで国際的な送金業者5社のうち3社が2018年中にXRPの利用を開始すると伝えたことは以前にも『Ripple総合まとめ』でお伝えしました。
3 of the top 5 global money transfer companies plan to use XRP in payment flows in 2018. Even more in the pipeline. https://t.co/5JOlxe20Ur
— Ripple (@Ripple) 2018年1月5日
国際的な送金事業者5社のうち3社が2018年中にXRPを利用した送金を開始する予定です。そして更に拡大中です。
そして前回発表されたのは、そのうち世界第2位の MoneyGram でした。
- MoneyGramは国際送金の迅速化のためにXRPを活用(Ripple, Inc.)
- Ripple and MoneyGram Partner to Modernize Payments(MoneyGram)
今回プレスリリースで発表された UAEエクスチェンジに関しては、XRPの利用についてまでは言及されませんでした。あくまでも予想ですが、これまでにリップル社から発信されている情報を総合すると、UAEエクスチェンジも xRapid/XRP を採用してくることはほぼ間違いないでしょう。
残りの送金業者1社は?
私は未発表の送金業者に関して前回次のように予想しました。
今回は MoneyGram が Ripple の xRapid/XRP を利用した送金を行うことを発表しましたが、リップル社の言う3社のうち残り2社とはいったいどこでしょうか?
最も有力な候補だと言われているのは、既にリップル社のパートナーであることが発表されている Western Union です。Western Union は2014年にリップル社と提携した Earthport のパートナーでもあります。
ちまたで噂されているもう一社は TransferWise です。詳しい理由はわかりませんが、それらしい動きを察知している人がいるのかもしれません。
その他に国際送金事業者としてすぐに思いつくのは次の5社でしょう。
- Western Union
- Moneygram
- TransferWise
- World Remit
- PayPal
私がこれらの予想にもう一つ加えたいのが UAE Exchange です。一つの理由は、世界最大の送金事業者だからです。
多くの方々が TransferWise と予想していますが、私は1月6日にツイートした通り残りの1社は Western Union だと考えています。
国際的な送金事業者5社のうち3社に関しては、個人的にはWestern Union、UAE Exchange、MoneyGramではないかと思っています。
— GiantGox (@GiantGox) 2018年1月6日
理由を聞かれると総合的な結論なのでピンポイントでは答えづらいのですが、一つ理由を挙げるとすれば Ripple Labs 時代の次のツイートです。
.@RippleLabs is working on pilot with @WesternUnion to provide infrastructure for real-time settlement. #MIGlobal pic.twitter.com/psdQ3AYGQu
— Ripple (@Ripple) April 28, 2015
このツイート自体は2015年4月のもので、Western Union は同時期に WU EDGE(The Enterprise Digital Global Exchange)と呼ばれるB2Bの国際送金プラットフォームを発表しています。
Western Unionが新しい決済ソリューションを発表しました。記事には4月11日にオーストラリア、カナダ、ニュージーランド、シンガポール、イギリス、アメリカで先行して取引市場を開設すると書いてあります。 #XRPJPY https://t.co/rKSWxL6Ilp
— GiantGox (@GiantGox) April 4, 2016
WU EDGEとRipple製品の関係は分かりませんが、少なくともリップル社と Western Union がかなり以前から協業していることは間違いありません。
XRPの価格が上がる仕組み
ここでもう一度『XRPの価格が上がる仕組み』のおさらいをしておきましょう。
これはリップル社が昨年東京で開催されたXRPミートアップで紹介したスライドです。
この図では現在既に行われている米国からメキシコへの xRapid/XRP を利用した実送金の仕組みが説明されています。この送金の流れをリップル社の Emi Yoshikawaさんは次のように説明しています。
実際の通貨(米国ドル、メキシコペソ)を使った送金です。米ドルからXRPに変換、XRPが数秒で移動、その後XRPからメキシコペソに変換され、メキシコのどの銀行の口座にも瞬時に着金できるという一連のend-to-endの送金フローが成功しました。 https://t.co/TQzbcxhldS
— Emi Yoshikawa (@emy_wng) 2017年10月10日
つまり送金トランザクションによって XRP が買われる仕組みです。Emiさんが『変換』という言葉を使っているのは、実際には XRP が買われるというよりも XRP への『両替』が行われるからです。
簡単に言うと、100万円を送金しようとすると100万円分のXRPと法定通貨の両替が行われます。図1のスライドで言うと
金融機関(米国)=> 取引所A => XRP Ledger => 取引所B => 金融機関(メキシコ)
という流れで、取引所Aでは USD/XRP の両替が行われ、取引所Bでは XRP/MXN の両替が行われます。
このような流れで各国から送金される法定通貨が XRP に両替されるため、単位時間当たりの送金時価総額が大きくなることによって XRP の価格が上がるというのが xRapid/XRP の仕組みです。
ですから、実際に世界中で XRP Ledger を経由した送金が行われるようになれば、理論的には1 XRPあたり数千円の価格が付いてもおかしくはないわけです。
買われても売られるからプラスマイナスゼロで価格が変わらないというプラマイゼロ説に関しては、別の記事で詳しく解説しているのでそちらをご覧ください。