XRPは廃止されない。リップル社とXRPの戦略

XRP

XRPは廃止されない

結論から言うとXRPは廃止されません。正直どうして私がこんなことを書かなければいけないのか私自身が困惑しています。事の始まりはリップル社の公式フォーラム上で風説の流布を目的とした同様の書き込みが集中的に行われ、リップル社によってスレッドを凍結する事態にまで至った事件です。これらの行為はインターネット上で現在に至るまで続いており、逮捕者が出るまで延々と続くのではないかと思われます。

XRPと検索してみると・・・

XRPに興味を持った方の誰もがまず、この洗礼を受けることになります。次の画像は Google の検索結果です。

XRPの検索結果

ご覧の通り、トップには Crypto Currency Magazine 、次に日本ブロックチェーン協会アドバイザーの大石哲之さんのブログが表示されます。馬鹿らしいので、これらのブログの内容には触れません。

追記(2016年10月20日):
大石哲之さんが削除したブログを読みたい方はこちら

XRPは廃止される?

まず、そんな話には根拠がありません。唯一それらしい根拠として悪用されているのが、日本でお年寄りなどをターゲットにしたXRP投資詐欺事件が発生した際にリップル社が出した公式声明です。同時にフィッシング詐欺も多発していたため、ついには警察がゲートウェイの銀行預金口座を凍結するという事態にまで発展しました。ご存知の通りリップルの仕組みは複雑で、捜査にあたった警察官も Ripple とそれを巧妙に利用した詐欺事件の全容を把握するのに苦労されたことと思います。当たり前ですが、リップル社はこの詐欺に関与していません。

XRPが廃止されない根拠

まず一つ目の根拠は、リップル社がはっきりと否定していることです。ツイッター上で同様の風説が流布されたので、ついに公式アカウントでリップル社がはっきりとXRPは戦略の中心であると反論しました。馬鹿らしいことですが、対応にあたったリップル社の方々の心中をお察しします。

二つ目の根拠は、リップル社のビジネスモデルです。「リップル社はどのようなビジネスモデルで利益を得るのか?」という質問に対して、取締役の David Schwartz はXRP Chatで次のように答えています。

  • ILPやRCLに関連する製品やサービス(Ripple Connectなど)からの利益
  • XRP価格の上昇による利益

このやりとりが行われたのは2016年5月ですが、コミュニティ内では同じやり取りが繰り返し行われています。例えば2015年11月にも「ILP上のFXでなぜRCL/XRPが中心になると思うのか?」という質問に対しても、同氏は「それが私たちの戦略だから」とはっきりと答えています。

三つ目の根拠は、Ripple というシステムの中核的な機能をXRPしかサポートしないことです。具体的には

  • オートブリッジ
  • SusPay
  • ペイメントチャネル

などです。(各機能の説明はRipple入門を参照してください。)これらの機能のうち、SusPay とペイメントチャネルは現在進行形で開発が進められています。そして、Rippleというシステムを正しく理解していれば、これらの機能が ILP のために実装されていることがわかります。ですから、これらを否定することは「ILP では Ripple を使わない」または「Ripple は ILP を使わない」と言っているようなものです。リップル社は ILP のために Ripple を開発しているのにそんなことがあり得るでしょうか? しかも ILP を開発しているのはリップル社です。リップル社の言葉を借りれば「インターネットがあれば Google はいらない」と言っているようなものです。(ちなみにHTTP/2の元になったSPDYはGoogleによって開発されました。)GoogleがGoogleに依存しないインターネット技術を積極的に開発し続けるのは、Googleがその上で利用されるサービスだからです。これは Ripple とインターレジャーの関係においても同じことです。

四つ目の根拠は、リップル社が公式ウェブサイトでヘッジファンドなどの大口投資家向けにXRPの直販を行っていることです。これは数億円単位という非常に大きな単位で販売が行われています。これから廃止するものを顧客に数億円で販売するでしょうか?

Learn More About XRP

五つ目の根拠は、リップル社が2016年9月に XRP の購入方法の解説ページを公式ウェブサイトに設けたことです。これから廃止するものの購入方法をわざわざ公式ウェブサイトで解説するでしょうか?

How to Buy XRP

六つ目の根拠(2016年9月19日追記)は、リップル社の採用ページに新たに Director, Market Structure & XRP Sales のポジションが追加されたことです。タイトルが Director(重役) となっていることからも XRP の販売担当重役であることがわかります。職務内容はXRPの販売計画の構築、XRPインセンティブプログラムの立案、XRPを既存の市場や暗号通貨取引所へ上場するための調整業務などです。廃止するもののために重役を雇うでしょうか?

Director, Market Structure & XRP Sales
2016年12月16日追記:2016年11月に CMEグループの取締役で貴金属部門トップの Miguel Vias がリップル社の Head of XRP Markets に就任しました。これをもって上記の求人は削除されました。

七つ目の根拠(2016年10月5日追記)は、2016年6月にリップル社がXRPの販売のためにビットライセンスを取得したことです。SBI Ripple Asiaが公開したプレスリリースの抄訳から一部引用します。

リップル社は、ブロックチェーン技術により独自に開発した取引記録台帳”Ripple Consensus Ledger”上のデジタル資産(仮想通貨)である「XRP」 の機関投資家及び金融機関向けの販売・管理に関して、ニューヨーク州金融サービス局(New York State Department of Financial Services: NYDFS)より、本日「BitLicense」を受領いたしました。

「(リップル社の)Ryan Zagone率いる規制当局担当チームの働きを誇りに思います。BitLisenceを手にすることで、ニューヨークの顧客銀行の皆様が、XRPを流動性確保やコスト削減手段として活用いただけることを、我々は楽しみにしております。」 Ripple Consensus Ledger内において、XRPは国際決済における為替流動性の向上や資本コストの低減に活用されます。

世界各国の現地通貨をノストロ口座(銀行間取引での資金決済口座)に保有する代わりに、銀行はリップル社のネットワークにおけるグローバル決済用の流動性をバランスシート上のXRPに一元化することが可能となり、少額のXRPの保有のみで、同等額以上の国際決済が可能となります。その結果、XRPを利用する銀行は、現時点で最大42%、今後XRPの普及が進むにつれ、 60%までコスト削減が可能となります。

SBI Ripple Asiaのプレスリリースより

リップル社はXRPの販売を目的にビットライセンスまで取得し、プレスリリースにはXRPを活用すると何度も明記しています。廃止するもののためにこんなことをするでしょうか?

八つ目の根拠(2016年10月15日追記)は、リップル社が2016年9月頃から『Monthly XRP Newsletter』というニュースレターの配信を始めたことです。これから廃止するもののためにニュースレターの配信をするでしょうか?

Monthly XRP Newsletter

2016年12月16日追記:リップル社はこれとは別に2017年1月から XRP の季刊レポートを発行することを発表しました。

九つ目の根拠(2016年10月15日追記)は、リップル社のアドバイザーであるマシュー・メロン氏が6億XRPを購入したことです。リップル社が自社のアドバイザーにこれから廃止するものを販売するでしょうか?

その他にも Chris Larsen(CEO)は2015年12月のインタビューでXRPの戦略について語っていますし、2016年7月に公式フォーラム上に掲載されたQ&Aでも Ripple Consensus Ledger を『XRPのためのコア・レジャー』と表現しています。無制限に発行できる IOU を実装するためだけに Ripple Consensus Ledger を使う必要はありませんし、コンセンサス・アルゴリズム自体がXRPを実現するために作られ、後にIOUを利用する Rippleプロトコルに統合された開発の経緯そのものが根拠とも言えるでしょう。

犯罪の片棒を担いではいけない

良識のある方であれば、ここまでの説明でXRPが廃止されるという話やXRPが無価値であるということが事実無根の風説であることがおわかりだと思います。ご存知の通り仮想通貨は中国を中心にマルチ商法が発達して複数の胴元が存在します。日本にも同様の団体が複数存在しており、その胴元(多くは海外在住者)や活動に参加しているメンバーが集団で Ripple に関する風説を流布しています。これはビットコインがブロックチェーンの実証実験を目的に開発されているのとは対照的に、Rippleが金融システムとして実用化を目指して開発されているため、他の多くの仮想通貨と競合するからです。Rippleがインターネット決済の標準プロトコルとなり、ビットコインの市場規模が縮小すればマルチ商法が失敗するという理屈なのでしょう。風説の流布は犯罪です。インターネット上に何気なく書き込んだ一言で逮捕されてしまったという人が後を絶ちません。間違ってもリップル社やその顧客に損害を与えるような犯罪活動に参加してはいけません。

2017年1月20日追記:

リップル社が日本語でこの問題に対する公式声明を出しました。全文日本語で書かれており、コミュニティの要望により英訳が追記されました。

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