Ripple/ILP勉強会資料

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※このページの資料はリップラー座談会 第16回の勉強会(冒頭1時間)で Ripple/ILP について意見を交換するために私が独自に作ったもので、リップル社の公式見解ではありません。書いてある内容が正しいかどうかも分かりません。(放送でノストロ口座に死蔵されている銀行資産が30兆円と言いましたが30兆”ドル”の間違いです。)


どらさんのILP解説

どらさんがILPの詳しい解説を公開してくれました。まだ読んでいない方はこちらからどうぞ。

ILPレジャー

ILPレジャーは暗号エスクローという機能を使ってレジャー上の2つのアカウント間の残高の移動を安全に行います。

図1.ILPレジャー

エスクローとは:
エスクローとは、互いに信用ができない2者間で取引が行われる際に、取引の橋渡しを行う仲介人です。例えば Yahoo!オークションでは、出品者と落札者との代金のやりとりを安全に行なうためのエスクローサービスが提供されています。これにより、商品を送ったのに入金されない、入金したのに商品が送られてこないといったトラブルを防いでいます。

コネクター

コネクターは複数のILPレジャーにアカウントを有し、異なるレジャー間の残高の移動を仲介します。コネクターは複数のILPレジャー上に資産を有しており、送金先のレジャー上で資産を相手に渡す代わりに送金元のレジャー上で資産を受け取ります。レジャー間の送金を仲介する代わりにコネクターは手数料を得ます。Rippleではコルレス銀行や流動性プロバイダーがコネクターの役割を担います。

図2.コネクター

ILP送金の流れ

インターレジャーでの支払いは、送金元からILPレジャーの暗号エスクローを介したコネクターへの入金と、コネクターから暗号エスクローを介した受取人への出金の2つのステップで成り立ちます。

  1. 送金元=>暗号エスクロー=>コネクター
  2. コネクター=>暗号エスクロー=>受取人

1のステップで送金元から送られた資産は暗号エスクローに保管され、2のステップでコネクターが暗号エスクローに資産を移動しない限り、全体の資金移動が起こらない仕組みになっています。

次の図はボブからアリスへの送金の流れを表しています。

図3.ILP送金の流れ

Rippleソリューション

ここで上の図とリップル社の公式資料の図を比較してみます。(若干古いですが、図がシンプルなのでこの図にしました。)

図4.Ripple ConnectとILP送金のイメージ 出典:ripple.com

ILP送金はILPレジャーとコネクターによって行われるため、それ以外のものを省略します。すると、図3と同じ構図になります。

図5.図4からILPレジャーとコネクターを抜き出したもの

RippleソリューションとILP送金の流れの対応

リップル社の説明では、流動性プロバイダーがコネクターの役割を果たし、複数のILPレジャー間の残高の移動が行われます。ILP送金の流れとRippleソリューションの説明を対応させるとこんな感じになります。(xCurrentやxViaは適当に書き込みました。)

図6.ILP送金の流れとRippleソリューションを対応させてみる

これは日本からアメリカに送金するシンプルな図ですが、各国間で送金を行おうとすると Connector 1 は各国の銀行レジャー上にアカウントを持ち、すべての通貨ペア(CNY/USD, GBP/EUR, etc…など)を取り扱う必要がります。つまり基軸通貨がありません。

当然各国での出金にも対応しないといけないため、Connector 1は各国に窓口を開設しなければいけません。仮に Connector 1 がコルレス銀行だった場合、Connector 1 には事前に複数の種類の大量の資金がプールされている必要があります。また、各国の銀行が一つのコネクター(銀行または流動性プロバイダー)を利用することになってしまうので非現実的です。

XRP Ledgerを利用するパターン

それではコネクター(流動性プロバイダー)が xRapid と XRP Ledger を利用するパターンを考えてみます。

図7.コネクターがxRapid/XRPを利用する場合

Bank A と Connector 1 を日本の法人、Connector 2 と Bank B をアメリカの法人として見ると分かり易いです。こうすることにより、Connector 1 は JPY/XRP 通貨ペアだけをサポートし、取引所も日本にだけあれば良くなります。その場合、Connector 2 は別の法人ということになります。

もう一つの可能性は Connector 1 と Connector 2 が同一の法人(たとえば〇〇〇MAXなど)のケースです。つまり、図6のような世界中の全ての通貨ペアをサポートするコネクターが内部的に XRP Ledger を使うパターンとも言えます。XRPが基軸通貨になったことで、図6のようなパターンでも全ての通貨ペアを網羅する必要がなくなります。

余談ですが、David Schwartzは xRapid と XRP の仕組みを次のように説明しています。

送金をするために xRapid を利用する人たちは、裏でXRPが使われていることを知る必要はありません。しかし、両替を伴うすべての送金に XRP が中間で使われます。

出典:xRapid/XRPのオートブリッジに関する発言

その他の国に送金する場合

これは Connector 1 が他のコネクターにトランザクションをルーティングする様子を図にしたものです。

図8.Connector 1がトランザクションをルーティングする様子

xRapid/XRPを統合したことで全てのコネクターがパブリックな XRP Ledger上にアカウントを持つだけで問題が解決しました。

USDを基軸にしてみる

これは XRP Ledger の代わりに USD を基軸通貨として扱う銀行(Bank Z)を中心に置いたイメージです。

図9.USDを基軸通貨にしてみる

Bank A と Connector 1 が日本の法人、Connector 2 と Bank B が中国の法人、Connector 3 と Bank C がイギリスの法人と考えると、Bank Z は各国のコネクターからの出金要請に応じられる(つまり各国に窓口を持つ)銀行である必要があります。そして全てのコネクターは Bank Z が発行する USDイシュアンスを信用しなければなりません。つまり、Bank Z はコルレス銀行だということです。

IoV(価値のインターネット)の観点から見れば、中心のレジャーが銀行の場合には送金手数料の問題からマイクロペイメントに対応できません。また、XRP LedgerではなくBitcoin Ledgerにすると即時送金に対応できなくなります。ILPとの親和性や技術的な観点からXRP Ledgerがセントラルレジャーとして利用されるのには合理的な理由があります。

How Ripple Works?

図9のコルレス銀行を含む3つのILPレジャーと2つのコネクターを介した送金モデルを私たちは以前見たことがあります。それはリップル社が公開している How Ripple Works – xCurrent という動画の中です。

図10.コルレス銀行と流動性プロバイダーを介した送金

Liquidity Provider が Correspondent Bank と Beneficiary Bank のILPレジャー上に口座を持っていることから、Liquidity Provider がコネクターとして Correspondent Bank から Beneficiary Bank への送金を仲介していることが分かります。Originating Bank から Correspondent Bank への送金は、従来のノストロ口座を利用したモデルです。

結論

結論はあえて書きません。皆で話し合い、Ripple/ILPについて沢山の意見を聞くことが出来れば幸いです。

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