リップル社が明かすRippleとXRPのビジョン

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Rippleはどのように始まったのか

Ripple が世に登場したのは2004年のことです。その始まりとなったのは Rippleプロジェクトというもので、生みの親はカナダの方に住んでいた天才エンジニアで、名前はライアン・フーガーといいます。ライアンが個人と個人の間で取引するというアイデアを考案し、取引の対象となるのは個人のクレジット、すなわち IOU ですが、この仕組みを使えば現実に、いつでも確実に誰もが自らの通貨やクレジットを所有しているということができるのです。これらの要素は密接に連携し、とてもよく考えられたシステムでした。ライアンは非営利として一人で運営していました。彼はこの仕組みを長年かけて開発していました。この取り組みは、多くの尊敬や関心を集めはしましたが、結局幅広く世に広まることはありませんでした。多分時期的に早すぎたのでしょうね。

さて、2011年に話を移しましょう。2011年に3人の天才たちがチームを組んだわけです。その中の1人が今ここに座っています。彼らはもちろんビットコインのことを知っていました。ビットコインの方が早く世に出ていましたから。しかし彼らはビットコインが素晴らしいシステムではあるけれど、同時に無駄が相当大きいとの結論に至りました。そこで効率性が優れておりコンセンサスに基づいたアルゴリズムを構築することになりました。ビットコインほど電力を食わないけど、それでも同じことができるアルゴリズムを作ろうと。しかし同じくらい重要なのは、このアルゴリズムを構築する際にはRippleプロジェクトのアイデアも相当引き継がれていたということです。経路探索アルゴリズムを使って、ある資産とそれとは別の資産を交換するという発想です。

ビットコインの難点の改良とRippleプロジェクトのアイデアの組み合わせは、僕にいわせると魔法の組み合わせですよ。だから、天才的な経路探索のアルゴリズムによって、非常に効率よく資産を交換できるようになったのです。なおかつ、それに、カウンターパーティのないデジタルアセットが組み合わさったのです。これはなんとも素晴らしい組み合わせです。それどころか、これは今私たちが言うところの「価値のインターネット」という大きなビジョンの芽生えであったと言えます。このコンセプトには説得力がありました。そこで僕が関わるようになって、3人の天才たちが開発を続け、その後しばらくしてこのテクノロジーが完成度を高めていき、間違いなく世界を変えるものだと人前で言えるようになりました。

XRP が実質的に誕生したのはこの時です。それから会社を設立して XRP のエコシステムを世に広め、成長させることにしました。設立時に会社には、多額のXRPを割り当てました。それからライアンのRippleプロジェクトを株式交換で買収し、プロジェクトを、統合させることができました。それから我々は運良く Ripple という URL の買取にも成功しました。これはちょっと面白い話ですよ。URL の元の所有者はロックバンド「グレイトフル・デッド」の大ファンなんです。このURLはグレイトフル・デッドの「Ripple」という曲にちなんでいたのです。我々ももちろんグレイトフル・デッドは大好きでした。

こうして2012年にすべてが一体となって、Ripple が本格スタートしたわけです。

 

価値のインターネット

デイビッド・シュワルツ:
クリス、Internet of Value (価値のインターネット)について説明してもらえますか?また、それを実現するためには何が必要か話してもらえますか?

クリス・ラーセン:
大部分は初期に君たちが行った経路探索や、価値のあるものは何でも取引できるという認識から派生しています。それがある種の発端でしたが、一歩二歩下がって、現代の世界が抱える本当の問題に目を向けると、多くの人はグローバリゼーションを、人のために機能していないと指摘しています。

私たちの考えは違います。機能していないのではなく、進行中で未完了の機能なのだと考えています。だから、相互運用性があれば真のモビリゼーションは可能なのです。核となる要素にデータ、商品とその配送、そしてお金の3つがあります。そして、データには相互運用性、すなわちインターネットがあります。

配送にも相互運用性はあります。50年代以降、配送コンテナは船から電車、電車からトラックのように、配送ポイント間の相互運用を行っていました。しかし、お金にはこの相互運用性がありません。お金のネットワークは相互運用されていません。

今、そのネットワークを構築できれば、何十億人もの人がそのようなグローバリゼーションのシステムに参加することになります。そのシステムは私たちにかかっているのです。私たちが作ろうとしているのはそういうシステムです。

デイビッド・シュワルツ:
サービス地域内でのインフラが非常に薄弱か無いに等しいような企業もあるため、今こうした需要は間違いなくあります。

クリス・ラーセン:
しかも、世界中の金融インフラに膨大な力を注いでいるビル&メリンダ・ゲイツ財団のメンバーに話を聞くと、彼らが取り組んでいる巨大プロジェクトは、わずか50セントのお金でも送金できるようにすることなんです。発展途上国の人が世界経済の一員になるためには、こうしたシステムが必要です。しかし、今はこのような送金は不可能です。アメリカからヨーロッパに50ドル送ることすら不可能です。すべて手数料として取られてしまいますから。

問題なのは50セントだけではありません。現在の世界では ILPXRP を組み合わせた価値のインターネットは間違いなく可能です。摩擦なく迅速に処理できるこのシステムがあれば、経済は大きく変化します。さらに、50セントを送金したい何十億もの人々だけでなく、1万分の1セントを送金する必要のあるデバイスやプログラムは何兆もあるでしょう。

私たちの取り組みによって、それすらも可能になります。私たちは非常に期待しています。

デイビッド・シュワルツ:
ビジョンとしては、国際送金をウェブサイトの検索と同じくらい安価かつ簡単にすることです。仕組みや費用、運営会社などを気にすることなく送金できるくらいにしたいと考えています。自動的に安くどこでもでき、あまりにも日常的に発生しているので、誰の目にも留まらないくらい。考えもせずに送金するのです。

クリス・ラーセン:
データと一緒に価値も送受信されているかのように。それこそが私たちが実現できるはずの世界ですが、今あるインフラでは無理です。インターネットの世界があって、お金はインターネット以前の世界にあり、この2つはリンクしていません。この分裂が障害になっているため、ここを乗り越えられれば、実現できます。

ブロックチェーンは唯一のアンサーではなく、ソリューションの一部です。広範なソリューションは、価値の相互運用プロトコルと超高速かつ効率的なデジタルアセット、さらにはその価値を移動させる方法をプログラミングするある種のメカニズムを組み合わせたものなのです。

 

XRPに対するRippleのビジョン

価値のインターネット (IoV) を実現させるためには、 世界中の金融インフラを劇的に革新し、取引が行われる際の、コストを下げ、スピードを上げ、 確実性を高める必要があります。私が不思議に思うのは、送金においていかに摩擦が存在しているかを理解していない人が非常に多いという点です。人は送金には面倒が付きものだと考え、それに慣れてしまっているのです。さらに、金融以外の多くの業界でも面倒を省き スピードを上げるために、様々な革新が起きていると私は思います。今後10年から15年間にかけて劇的な変化が 起こるのを目の当たりにすると思いますが、現時点でその様相を予測するのは大変難しく IoV はその変化を基盤として普及していくのです。

XRP は Ripple の心臓部を構成するものです。XRP は我々が流動性管理をどう実現するか考える上での大事な基盤であり、中核となる問題の1つである金融インフラが流動性資産の管理にどのような 役割を果たすのかについて考える基盤でもあります。現在の金融機関は、ノストロ口座やボストロ口座と呼ばれる資金プールによって接続されています。こういった資金は金融機関の間で事前にファンディングされているものです。この資金は休眠資産であり塩漬けになっているので、運転資金としても、貸出金としても、一切使い道がないお金です。デジタル資産を活用することで、リアルタイムで流動性を有効にすることができます。デジタル資産の活用により、世界中の金融インフラ同士の 関係に変革が起きます。

どんなマラソンにも初めの第一歩があります。我々にとっての最初の第一歩とは、金融機関と一緒に取り組み、協業することです。金融機関に xCurrent の中核となる技術を理解してもらい、我々が流動性の管理においてどのように役に立てるのか知ってもらうことです。銀行や金融機関が他の金融機関と協業する際には、様々な手間が生じ多額のコストがかかります。我々はその仕組みを著しく飛躍的に変化させ、スピードアップできます。XRP が金融機関の取引の手段として活用されるのには時間はかかりますが、先ほど話した通り、どんなマラソンにも初めの第一歩は必要なのです。

広い視点に立って、Rippleのブロックチェーンや 仮想通貨エコシステムの中での立ち位置を眺めてみると、我々はたいへん恵まれています。というのは実際に顧客を抱え 現実の問題を解決しているのは弊社だけだからです。今はまだマラソンの初期段階ですが、競争開始時点で 周りを見渡して、間違いなく言えることはスタートラインを踏み出した会社は 弊社が唯一ということです。

 

Rippleのプロダクトスイート

今日電信送金をしたとすれば、その経験がどんなに苛だたしいものかご存知ですよね。電信で支払い指示をするというのは、基本的にはブラックボックスにお金を入れるようなものですから。送金したお金がどうなったか数日間は分かりません。失敗した場合、おそらく大体数週間後になって電話で連絡がくることになるでしょう。2018年の現代、このような国際送金経験は許容されるものではありません。ですから我々が決済インフラ内の金融システムを再構築しようとしていた時、最も重視した課題は、「金融機関の協力をどうやって取り付けるか」という点でした。金融機関をつぶしたり邪魔したりするのではなく、「どうやって金融機関に協力してもらうか」という点です。

金融機関の協力が得られると、世界中で今よりスムーズに送金のやり取りができるようになります。これを可能にする製品が xCurrent です。xCurrent は発売開始から2年が経ちました。xCurrent は幅広い金融機関に採用いただいています。過去1年間の xCurrent 上での取引額は10億ドルを超えています。xCurrent に対する評価と需要は大変高いものがあり、間違いなく市場で最も成熟した製品だと言えます。ブロックチェーン技術を活用して国際送金で生ずる問題を解決する製品です。

でもそこで終わりというわけではありません。我々は夏の終わりに新製品を2つリリースしました。1つはデジタルアセット、つまり XRP を活用する流動性に対応する xRapid で、お金をもっと効率よく動かせるようになります。もう一つは xVia という製品ですが、これについてはすぐ後にお話しします。どちらも今年の夏の終わりに発表しました。

xRapid の発表直後に、送金をもっと効率よく行うために xRapid を使いたいという顧客の声が多数寄せられました。現在、送金しようと思ったら送金先に銀行口座を開設して、現地通貨でお金を預ける必要があります。現在、金融機関や企業は何兆ドルもの金額が預けられて動かせない状態です。単に国境を越えて国際的に送金決済をする目的だけのためにです。これは許容できません。xRapid を使うと、企業や金融機関はデジタル資産を活用して現地国に送金できるようになるので、現地銀行に口座を開設して、現地通貨を保有する必要がなくなるのです。これは世の中を大変革する製品だと思います。

すでに製品のプロモーションは行っており、2018年も継続しますが、全ての顧客にとって非常に嬉しい知らせだと思っています。送金を自ら処理したいという顧客もいますが、実際には Ripple を経由して、顧客の代わりに送金をしたいという顧客の声が既に多数寄せられており、今後もそういった需要は伸びていきます。

そこで我々は Ripple のシステム全体を1つの API に統合して、顧客の世界中での送金をお手伝いできるようにしました。そのための製品が xVia です。xVia のベータ版を夏の終わりに発表しました。xVia の発売は今後数カ月以内を予定しています。しかしもう既に xVia を利用し始めている顧客がいて、非常に良いフィードバックを寄せていただいており、大変ありがたく思います。

さらに今後数カ月以内に製品を使い始める顧客のパイプラインがあり、とても心強く感じています。

 

XRP vs 他のデジタル資産

XRP のメリットについて話しましょう。まず強調したいのがスピードです。XRPは承認時間がビットコインよりも1000倍以上高速です。実際、決定性のアルゴリズムが使われています。承認時間は、XRPではすべての台帳が約3.2秒ごとに閉じる一方、ビットコインでは10分です。ただしランダムなので、すごく速いときもあればすごく遅いときもあります。支払いにビットコインなどを使用している場合、この間に非常に広範囲な市場の変動を受けることになります。XRPの場合は、影響が小さくすみます。

XRPのもう一つのメリットはコストです。XRPでは1回の取引のコストが10分の1セントほどですが、ビットコインやイーサリアムなどではずっと高くなります。ビットコインの場合、おそらく数ドルか、何十ドルになることもあるかもしれません。そのため、XRPのすべてのメリットを利用すれば、より高い質のホスティング、より高い質のバリデータ、より高い質の決済処理をずっと速く、ずっと安く実行できます。

これらのすべてのメリットを考えると、XRPは法人用途に適した唯一のデジタルアセットであると言えます。

 

XRPは非中央集権なのか?

中央集権化の懸念点はルールを決定でき、システムの停止をコントロールしたり、ユーザーに害を及ぼすような方法でシステムを変更することができる一つの主体があるかどうかということです。XRP Ledger のソフトウェアはすべての人に開かれており、誰でもサーバーやバリデータを実行でき、実際に実行しています。

取引所はステークホルダーです。XRP を保有し取引を処理するためにサーバーを実行する人は、皆ステークホルダーだということができます。Ripple がなくなっても、これらのステークホルダーは今行っている方法でシステムを運用し続けることができます。多くの人が、Ripple がさらに多くの XRP を作れるのではないかと懸念していますが、どこから発生したかもわからない XRP を存在するかのようにみせるようなプロトコルはありません。取引のルールは決定的で、ソフトウェアはオープンソースです。XRPを新たに作成する方法はありません。

Ripple は現在、約600億の XRP を保有しています。これは存在しているすべての XRP の60パーセントです。550億の XRP が、月に10億ずつ55ヶ月かけてリリースされるようにエスクローに預託してロックインされています。これは、ある程度の共有予測性を提供し、一定の期間 Ripple が XRP を保有するという確証をもたらすために実行しました。毎月10億 XRP がリリースされるからといって、全ての XRP を使うということではありません。その月に使用しなかった XRP は毎月末にエスクローに戻され、その分リリース月数が増加されます。このエスクローは台帳で公開されており、台帳は透明性があるので、XRP がエスクローに毎月いくら戻されたかも確認できるようになっています。

そのため、すでにアナウンスしたとおり、2018年の私の優先事項は XRP Ledger の分散化の向上です。2018年の間に、バリデータを追加し、ネットワークを Ripple の運用から徐々に独立させます。

 

コンセンサス vs プルーフ・オブ・ワーク

コンセンサスとは、XRP Ledger がプルーフ・オブ・ワークを使わずに二重支払いを防止する方法です。どの取引が有効なのか無効なのか全員が同意するということが問題ですが、取引の基本ルール自体はシンプルなものです。適切なデジタル署名が必要です。持っていないお金を送金するのは無理です。 こういった問題はそこまで難しいことではありません。

問題となるのは、たとえばアリスという人が1XRPか1ビットコインか1ドル持っていたとして、本人が希望すればビルという人に送金できるようにしたいわけです。さらに本人が希望すればチャーリーという人に送れるようにしたいわけです。しかしアリスが仮にビルとチャーリーの両方に送金できるとなると、大問題が生じるわけです。

そこでどうにかして、両方の送金リクエストが有効なものであったとしても、2つのリクエストのどちらを優先するかについて合意を得る必要があり、同時にもう片方の送金リクエストが無効であるとの合意が得られる必要があります。ですから、相矛盾する取引が発生した場合それを解決する必要が出てきます。

さて従来は銀行がその役割を果たしてきました。たとえば私が銀行小切手を振り出す場合、その現金が口座に存在するかどうかは銀行側が判断します。残高にある同じ金額に対して、私が2枚の小切手を振り出したとしたら、銀行は片方を最初に処理します。そうなると銀行が有効だと判断したものが有効な小切手だということに異を唱える人はいません。

しかし XRP Ledger には中央管理者がいません。ビットコインはプルーフ・オブ・ワークを利用していますが、Ripple では使いません。XRP Ledger は分散型承認プロトコルを使います。これは簡単にいうと皆にメッセージを送って、自分はこちらの取引の方を最初に見かけたと伝え、この件に関して圧倒的多数の承認が得られると、その承認を取り消すのは絶対に不可能となります。有効性決定ルールと照らし合わせて、取引成立の条件が整うことになります。最初に承認された取引が有効で、承認が得られなかった取引は永遠に無効となります。

コンセンサスの手法の実験を開始して直ぐに分かったのは、XRP Ledger にはプルーフ・オブ・ワークよりも優れている点が複数あるということでした。メリットのいくつかは極めて分かりやすいものです。単にブロックチェーンの安全性を確保するためだけに、何百万ドルもの大金を使う必要はありません。電気料金を支払うためにエコシステムからお金を取り出す必要もありません。

しかし、もう一つ大事なことがあります。若干目立たない部分ですが、XRP Ledgerを取り仕切る独裁者はいないということです。独裁者が各ブロックの中身を決定するわけではありません。各ブロック、またはそれに相当する台帳の中身を決定するのは、参加者によるコンセンサスなのです。従って、特定の1参加者に各ブロックの内容を決定する権限はありません。独裁者が不在だからこそ、XRP Ledgerならではの機能が実現するわけです。たとえば、任意の資産交換を分散型システムで実行するなどです。

こういったXRP Ledgerのメリットを実現するには、最終決定権を握る人間ではなく、生来の公平性を備えたシステムが必要なのです。

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