Rippleは中央集権的なネットワークなのか?

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ブログを開設して二日目ということもあり更新頻度が高いですが、そのうち落ち着いて来ます(笑)。当面は2posts/weekを目標としています。

さて、今回は「Rippleは中央集権的なネットワークなのか?」について考えていきたいと思います。Bitcoinと対比される形で、RippleネットワークはRipple Inc.が管理(中央集権)しているとよく耳にすることがあります。さて、本当にそうなのでしょうか。

そもそもRipple Inc.はなぜビットコインのようなプルーフオブワーク(PoW)を採用していないのでしょうか。それは、PoWでは各マイナーの影響力が地域的に偏ることが大きな理由の一つです。もちろん、PoWにも強みはあり、ある程度の計算機リソースが投入される環境で取引履歴を改ざんするのは不可能に近く、信頼性が高いのが特徴です。ただ、計算機リソースに頼ってるために、ビットコインのネットワークの最適化が進めば進むほど、マイナー(ハッシュレート)はどうしても電力的に安い場所か、マネーリソースを持っている国に偏ります。

一方で、Ripple Consensus Ledger(RCL)が採用している分散型台帳技術では、コンピューターの計算による取引の承認を行うのではなく、信頼できる一部の承認者(validator)による投票で承認が行われます。この承認過程はプルーフ・オブ・ワークに対し、コンセンサス(consensus)と呼ばれます。この仕組みにより、3~6秒という高速な取引承認を可能にしています。つまり、Rippleが非中央集権か中央集権的なのかは、この承認者の選び方に寄るということが分かります。承認する人のリストはユニークノードリスト(UNL)と呼ばれています。

そして、UNLは現在はなんとRipple Inc.が管理しています。しかも承認者のほとんどはRipple Inc.が管理しているサーバーとなります。つまり現在のところは取引の承認は全てRipple Inc.によって決まっているということです。「これは疑いようがなく中央集権的ネットワークだ!」と、結論になるかと言われると将来的にはそうでもありません。

If Ripple recommends adoption of its UNL, doesn’t that create a centralized system?

No. The Ripple network is opt-in. Each participant directly or indirectly chooses its UNL. Should Ripple stop operating or should Ripple act maliciously, participants could change their UNLs to continue using the network.

引用元:ripple.com

Ripple Inc.は、いずれ自社のValidatorを停止し、各ノードが自由に承認者リストを選べるようにする方針のようです。

では、次に疑問に思うのは、「Ripple Inc.以外で誰がValidatorサーバーを動かすのか?」という事です。ビットコインのマイナーと違い、取引を承認しても、Rippleの場合は一銭の得にもなりません。ボランティアみたいなものです。

その答えはRippleネットワークをビジネスで使い、Rippleネットワークが正常に動いてくれなきゃ困る人達です(当たり前の話ですが・・・)。Validatorはほとんどマシンリソースを必要としないため、Validatorサーバーの運用コストは最低限で済みます。Eメールサーバーと同程度のコストなようです。この程度であれば、気軽にvalidatorサーバーを運用出来そうです。現在は、MITやマイクロソフトなどがValidatorを動かしていることを表明しています(現在動いているValidatorリストはこちら)。

今後は銀行や公的機関がRippleネットワークを使ったビジネスを開始すると仮定した場合、Ripple Inc.以外のValidatorが続々と現れます。そして、将来RippleネットワークがInternet-of-Valueの中核技術となった時には、数多の大企業、非営利団体、米国連邦準備委員会(FRB)、European Central Bank(ECB)や日本銀行などがValidatorとなってもおかしくないと思います。このレベルになるともうRippleネットワークはRipple Inc.の物ではなく、全世界の共有資産です。今のインターネットと同じです。

最後にまとめますと、確かに現在のところはRipple Inc.に管理された中央集権的なネットワークと言われても反論しようがありません。いくらRipple inc.以外のValidatorが存在していても、Validatorリスト(UNL)を管理しているのはほかならぬRipple Inc.なのですから。まぁ、実はValidatorは自分で選べますが、下手にValidatorを選ぶと自分のところだけネットワークが分離する危険性があるので、推奨されていません。ただ、Rippleネットワークの普及に従ってRipple Inc.以外のValidatorの登場によって、将来的には非中央集権ネットワークになります。

おまけ

Ripple Inc.がデジタル通貨XRPの値上がりを収益に柱に一つに位置付けているのはこのためですね。RippleネットワークはいつかRipple Inc.の物ではなくなるので、Rippleネットワークの使用料などで収益を上げることは出来ません。

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