金融機関と企業のXRP購入・保有方法(David Schwartz) – 2017-12-10

cc_banner_728x90

David Schwartzによる金融機関と企業のXRP購入・保有方法に関する説明

原文

 

和訳

質問者:

銀行は送金を目的として、Rippleプロトコル内のXRPを自分で保有するのか? あるいはXRPは保有せずマーケットメーカー(流動性提供者)を利用するのか? はたまた法定通貨建て資産(IOU)だけで送金を行うのか?

David Schwartz:

Ripple の目論見通り、送金のための決済通貨としてXRPが利用されるようになったら、と仮定して話します。そのような状況になっても、なお銀行はマーケットメーカーを利用した送金を行うことはあり得ることです。この場合は、双方への支払いのためにマーケットメーカーがXRPを必ず保有することになります。一方、ある特定の銀行がXRPを保有するか否かを考える場合には、いくつもの要因を考慮する必要があります。

その1つとして、彼らが法規制に対して対応できるかどうかが挙げられます。かつては、これは大きな障壁だったのですが、最近になってそれほど大きな課題でなくなってきました。今でも国によっては、XRPのような投機的な資産の保有を銀行に禁止しているケースがありますが、彼らでさえこれを回避することが可能になっています。というのも、彼らの代わりにXRPを合法的に保有できる第三者機関(サードパーティー)を採用すれば良いのです。このサードパーティーは銀行がXRPを扱えるよう、銀行を相手にある契約を結びます。どういうものかというと、もしXRP価格が下落したらその下落分を補償するよう、サードパーティーが銀行に補填分を支払う。その代わりもしXRPが上昇したら、その利益は全てサードパーティーが享受するというものです。(言い換えると、サードパーティーが価格変動分を全て引き受け、銀行は価格変動による損もしなければ得もしない(= リスクヘッジ)でXRPを送金に利用する。)

このような契約がどんな内容になるかについては、XRPを保有することで発生するリスクとリターンの関係(リスク特性)によって異なるでしょう。もしXRP保有によるリターンが下落リスクよりも勝っている場合には、サードパーティーの方がうまみが大きいので、この契約に際して契約料はサードパーティーから銀行側に支払われることになるでしょう。逆に、下落リスクの方がリターンを勝っている場合は、今度は銀行側がサードパーティーに対して契約料を支払うはずです。銀行というものは、いくつもの事業者の複合体として構成されているのが普通であり、それら全てが必ずしも厳密な意味での「銀行」なのではありません。したがって上述のサードパーティーはその銀行の1つの部門として(それ自体はいわゆる銀行ではなく)運営することができます。

銀行がXRP保有を選択するようになる条件を以下に記しておきましょう。

  1. XRPを保有した方が送金コストが安い場合。
  2. マーケットメーカーが提供する送金サービスが、銀行自身でXRPを保有するのと大して変わらない場合。あるいは劣っている場合。
  3. 銀行が法規制のややこしいハードルを全て乗り越えた場合。

仮に金融機関がXRPを保有できなかったとしても、XRPが決済通貨として活躍できるような作戦をリップル社は(xRapid等によって)精力的に遂行しています。例えば、戦略上カギとなる通貨ペアに流動性を供給する(=売買板を供給する)ようなマーケットメーキングを十分に用意することもその作戦の1つです。

たとえ銀行がXRPを保有しなくても、決済通貨として利用可能な通貨を保有したいと強く希望するような組織は他にも沢山あります。

ここで例を挙げます。あなたは決済通貨を安く購入したいとします。おそらく市場のレートよりも安く。そのためには、あなたは指値注文を入れて、あなたの手持ちの通貨で支払をしたがっている人たちが現れるのを待つ必要があります。(彼らは送金が目的なので即時性が要求されるため)成行注文を入れるはずです。指値注文していたあなたのXRPの買い注文は約定します。その結果、あなたは手持ちの通貨を彼らに売ってXRPを手に入れます。これと同様に、(UberやAirbnbのような)国際送金を頻繁に行う企業がXRPを手に入れるときは(急がないので)指値注文を入れて買おうとします。この行動は売買板を供給するマーケットメーキングにあたると言えます。というのも、このような行動はXRPの買い板の供給に相当するので、ブリッジ送金(=成行注文)をする人にとっては市場流動性が提供されたことに相当するからです。

なぜUberやAirbnbのような企業がXRPを安く手に入れたいかって? それは、もし彼らが支払うことの多い通貨ルートでXRPが決済通貨として利用可能ならば、彼らはあらかじめXRPを持っていた方がコストを安く送金できるからです。なぜならば、いざ送金をするという段階でXRPを買おうとすると成行注文になりスプレッドが大きくなってしまうからです。それよりも、急いでいない時に指値注文で購入しておいたXRPをあらかじめ保有しておいて、実際に送金に使うときは、XRP⇒相手先通貨の間だけ成行注文で両替を行う方が良いわけです。

※通貨A ⇒ XRP ⇒ 通貨B だと2回分のコスト XRP ⇒ 通貨B なら1回分のコスト

したがって、もし Ripple が XRP を決済用通貨にできたら、たとえ金融機関がXRPを保有しなくても、世界中に送金をする企業がいて、彼らが(買い板を提供する)マーケットメーカーとしての役割を自ら進んで果たしてくれるし、彼らがどこかに安く送金する場合はXRPを使って成行注文で売買してくれるのです。これはXRPにとって大変大きな需要となるでしょう。


※和訳はてにったーさんから寄稿して頂きました。

cc_banner_728x90