ILP-EnabledなRippleネットワークに必要なこととは

今回はILP-EnabledなRippleネットワークについて考えてみたいと思います。昔からRippleを見てきた人ならご存知かと思いますが、Ripple Inc.のXRPポータルには下記のような記述があります。

*各取引ごとに少額のXRPをスパム防止のためのネットワークフィーとして消費します。将来の (ILPが利用可能な) バージョンのRippleでは、このネットワークフィーを地域通貨単位で表示することが可能になります。

引用元:ripple.com

そして、RippleネットワークがILPが利用可能になるには、SusPay機能というものが実装される必要があります。そろそろRippleネットワークに実装されるようなので、SusPay機能がなにかを簡単に説明します。

SusPay機能とは”A suspended payment”を指し、支払いを途中で保留にする機能となります。これがILPとRippleネットワークを繋ぐのに欠かすことが出来ない機能となります。

まずは、ILPと”Connector”の存在に関して簡単に説明しておきます。ILPはインターレジャープロトコルの略で、異なる台帳を橋渡しをするルールを決めているものです。一つの台帳で全ての価値を管理することは様々な理由で消して受け入れられるものではないので、複数の台帳を繋ぐ技術が必要です。そしてこれは、Internet-of-Valueの実現には絶対必要なものです。

そして、その異なる台帳の間に存在するのが取引の仲介人である”Connector”です。この”Connector”が価値を動かすときの橋渡しをします。聞き慣れない言葉では、エスクローと呼ばれています。分かりやすくネットオークションでのエスクローサービスを引用しました。出品者と落札者の間に立つ仲介人ということですね。

エスクローサービスとは

Yahoo!オークションにおいて、出品者と落札者との代金のやりとりを安全に行なうための仲介サービスのことです。第三者が間に入るため、商品を送ったのに入金されない、入金したのに商品が送られてこないといったトラブルを防ぐことができます。

引用元:aucfan.com

エスクローサービスは出品者と落札者がお互いに信用出来ない場合、効果を発揮します。しかし、それにも問題があります、今度はエスクロー(Connector)を信用しなくてはいけないことです。ですが、デジタルな世界ではなんと信用する必要がないエスクローを作ることが出来ます。

そこでSuspay機能が登場します。SusPay機能では、送金者が取引をするときに、送金の条件を設定でき、条件を満たした場合は相手に送金が実行され、そうでない場合は自動で返金されます。つまりエスクローが約束を果たさなかった場合は強制的に返金されることになります。

Basically, a suspended payment “sequesters” the specified amount of XRP in its own ledger entry until either the suspended payment is completed (and the XRP is delivered to the destination) or canceled (and the XRP is returned to sender).

I guess you could say it’s similar to escrow, but this is done directly in the ledger, without the involvement of a third party.

引用元:xrpchat.com

では、台帳AのXさんから台帳BのYさんにConnectorであるCさん経由で1万円を送金する場合を例に説明してきます。(簡単化のためにここでは同じ通貨としました)

Suspay機能を使わない場合

  1. XさんはCさんに1万円を送ります。
  2. 次にCさんはYさんに1万円を送ります。

この場合、Cさんが持ち逃げした場合、当然Xさんのお金は無くなってしまうことになります。Cさんを信頼しなくてはいけません。

Suspay機能が有効の場合

  1. XさんはCさんに1万円を送金する予定の取引を作ります。送金する条件はCさんがYさんに送金する場合です。
  2. 次にCさんはYさんに1万円を送ります。
  3. 保留されていたXさんからYさんへの支払いが実行される。

かなり簡単化しているのでツッコミ満載だと思いますが、基本的には考えはこのようになります。これであれば、Cさんを信用しなくても安心して送金することが出来ます。

エスクローを信用せずとも安心して価値を送ることが出来る仕組みはInternet-of-Valueの世界では必要不可欠です。これがRippleネットワークに実装された場合はILPとRippleネットワークの融合に拍車がかかり、さらにRippleネットワークの流動性は拡大していくものと思います。